金の雨と聞いたら、何を想像するでしょうか。
これは――その想像を一直線に貫いていくという、あたかも正拳突きのような真っ直ぐさと破壊力を誇る物語です。
……というか最初の一行目でもうネタバレが。
これ言われたら、もう想像するしか無いじゃないか、と言わざるを得ません。
そんな正拳ストレートを食らって、読者はもうKO寸前で、ラウンドが終わるまで拳を振るしかありません。
言うなれば、倒叙ミステリのような「初撃」があって、そこからストーリィがグイグイ来ます。
読み終えた時、それはまるでKOされて「眠る」ような、そういう心地よい敗北感、白熱した達成感を感じました。
是非、ご一読を。