親友が全裸で登校してきたんだが

親友が全裸で登校してきた！

　隆の証言

ある日親友が全裸で学校へ来た。

どういう事か分からんがとにかく一糸もまとわず来たかと思ったらいつも通り話しかけてくる。

なにが「今日はなぜか清々しい」だよ。原因なんか見れば一目瞭然だろう。しかし奇妙なことに周りは誰一人何事もないかのように彼の服装には触れなかった。

俺の目がおかしいのだろうか。とにかく親友といえど一日目の前でぶらぶらさせて過ごされたら気が散って仕方なかった。

お昼にカレーうどんなんか食べ始めた時はアツアツの汁が落ちないかひやひやしたよ。

　親友の証言

バイトの先輩に教えられてまだ臨床試験の段階の薬の被験者になるバイトに応募した。

どうやら俺の行動も実験対象らしく何の薬を飲まされるのかは教えてもらえなかった。

とても怖かったが実験が終了した際に貰える金額がとても大金だったため迷った末受けることにした。

医師に薬を飲まされたと思ったらなぜか大学前に全裸で放置されていた。完全に騙されたと思った。

しかし線形代数の単位が危ういので今日休むわけにもいかず、いっそ開き直って全裸で登校することにした。

入ってすぐに隆が目に入ったので試しに話しかけてみた。するとどうだろう服のことには何も言わないではないか。

ここで俺はどんな薬を飲まされたのかだいたい理解できた。恐らく自分だけ服を着ていないと誤認する薬なのだろう。

この薬が何の役に立つのかは分からないが他の人から見たら服を着ているように見えているようだ。

その証拠に隆に「今日はなぜか清々しい」と言ってみたが特に反応は無かった。

しかし露出というものは何とも言えん背徳感のようなものがあって癖になりそうだ。

　見物人Aの証言

ああ彼か、狂ったのかと思ったね。まっぱで登校してきたと思ったらいつも通りの生活を送ってやんの。どうやら俺しかまっぱに見えていないみたいだった。

なぜそう思うかって？彼が一番仲良くしてる隆が何も言っていなかったんだよ。毎日神様に美少女の服が透けて見える能力をお願いしてるからって男の服の透視能力は要らないっての。

　医師の証言

そもそも私は医師ではないよ。ただのしがない科学者さ。彼は白衣を着ていたから誤解したんだろうね。私は人が全裸でどのように一日過ごすか興味があってね。あ、これは完全な自分の趣味だよ。

彼に投与したのはただの睡眠薬だし。しかし面白い結果がとれたね。彼含め三人の生徒にあの日の出来事を聞いたのだが全員が全員全裸ということを分かっていながら触れなかった。

これは実に興味深い。大金を払った甲斐があったってもんだ。しかし彼には悪いことをしたね。彼あの後私になんて言ってきたと思う？こう言ったんだよ。

「あの薬もう一度投与してくれませんか？」