日常に潜むほっこりファンタジーが読みたい方。
恋愛フラグが立ちそうで立たない、可愛い男女の関係性が見たい方。
そんなあなたにオススメしたいのが、猫村まぬるさんのこちら、『月曜日の方違さんは、たどりつけない』です!
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主人公はごく普通の男子学生・苗村まもるくん。そんな彼はある日、不思議な体質を持った少女に巻き込まれます。
方違くるりさん。同級生の女の子です。
その体質とは──月曜日は必ず、何かしらの不思議な力が働いて、目的地にたどりつけないこと。
ちょっぴり不思議、けれど惹かれるファンタジーだと思いませんか? このくるりさんの体質とまもるくんが織りなす物語、とてもとても面白いです!!
1話1話、"月曜日"に巻き起こる小さな事件を集めた連作短篇集なのですが、物語がとにかく多彩。"たどりつけない"理由が毎度違って驚かされます。飽きることがありません。
そうして連作短篇なので、読みやすいのも魅力の一つ!! ぜひ1話でも読んでみてください。素敵なヒロインのくるりさんにハマること間違いなしです。
さらにもう一つ、注目したいのは主人公二人の関係性。
先述の通り、この物語のメインキャラクターはくるりさんとまもるくん。この二人の関係が……まぁ目が話せないのですよ……!!
友だち? それとも恋愛フラグ? どちらにせよ、互いが大切であることに変わりはない関係……やり取りが可愛らしくて、どんどん続きを読みたくなります。
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日常に潜むほっこりファンタジー。
子どもたちの、ちょっとした冒険譚。
ぜひあなたも、覗いてみませんか?
月曜日になると目的地に辿り着けなくなる女の子・方違くるりちゃんと、ひょんなことから彼女の怪現象に巻き込まれることになった苗村まもるくん、ふたりの12ヶ月を描いた物語です。
月曜日に起こる怪現象を通し、くるりちゃんの半生を辿る旅でもあるように思いました。
何気ない日々の中でふと負った心の傷や、小さい頃に大切にしていた宝物など、思いやりと優しさを重ねながら月曜日の困難を乗り越えていくふたりを見ていると、私の人生にも、かけがえのないものや優しい言葉、大切な人の存在があったように思えます。
ふたりの冒険をひもといてみると、人生の宝物が見えてくる、そんな気がします。
このレビューを書いている時点で八話までの連載が終わっていますが、もっと長くふたりの絆を見ていたいです。
そして、多くの方に、ふたりの一年を見守っていただきたいです。