すんなりと
私はドレス(飾り気は少ないもの)
響さんはスーツ(お高そうなデザイン)
魅里ちゃんは真っ赤なワンピース(かわいい)
を着て例のビルに入った
「失礼…どんなご用向きで?」
すぐさま飛んできた警備員?
っぽい人に響さんが証明書のようなものを
見せながら
「あぁ、14時から社長にアポを取っていてね…いいかな?」
「少々お待ちを…確認して参ります。」
それからしばらくして
警備員さんに入館証をもらい中に入ることに成功した。
「流石、メリーさんバッチリだな」
「そうね」
若干気に入らない様子の魅里ちゃん…嫉妬?
「さて、ここだな。よし、気を引き締めろよ二人とも」
響さんは部屋の前で小声で話し掛けてきた
何かくすぐったい!
「……駄々っ子の演技」
魅里ちゃんにとって確かにそこが
最高難易度よね…
「頑張ろうね魅里ちゃん!」
「そ、そうねママ」
やばい、母性が吹き出しそう
「…入るぞ」
そう言って少し呆れた様子の響さんは
ドアをノックした
すると中からどうぞと声が聞こえた。
それを聞いて響さんはドアを開け
中に入る、私達も入る
中は綺麗にされていて
奥に社長が座るっぽい机と椅子
真ん中にテーブルがあり両サイドにソファ
入り口には本棚
ザ・社長室!
「失礼いたします。」
響さんが大真面目に挨拶をすると
ちょっと強面の大柄な男がソファに座っており
「よく、お越しくださいました。どうぞお座りください」
「はい。失礼いたします」
響さんが挨拶を返すと
手でこちらに合図をした
駄々っ子を発動するんだ魅里ちゃん!
「うぅ…み、魅里…遊びたい…」
かわい!かわい!!かわい!!!
…じゃなかった続かなければ
「もう…だからお家で待ってましょうって言ったのに…」
「だって…お、おっきいビルで楽しそうだったんだもん」
「まったく…魅里ちゃんはワガママなんだから…すみません」
何だか楽しくなってしまった私を若干睨む
魅里ちゃん…あとが怖いわ…
そんな私達を見て大柄の男は
「ははは、子供は少しワガママなくらいがいいんですよ。何なら少しビルを歩いてきたらいい、ただし部屋に入ってはいけないよ?」
あら?走り出す前に難なく部屋から出られそうだわ
「…ありがとうございます。セツナ、お言葉に甘えて魅里とビルを探検でもしてきなさい。」
「あ、あり…がと…う…ぱ…パパ!」
頑張った!
魅里ちゃん頑張った!
こうして、私達は部屋の外に出た。
さて、怪しまれないように作戦開始ね!
「セツナ…後で覚えてなさい?」
力強く握りしめられた手が若干汗ばんだけど
大丈夫!
拒絶少女は世界を拒絶する 犬派のノラ猫 @noraneko8753
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