文句が有るなら対案を出せ
@HasumiChouji
文句が有るなら対案を出せ
「あのねえ、あなた達の政党が与党だった時に、当時の野党に何って言ってましたか? 文句が有るなら、対案を出せ。文句が有るなら、対案を出せ。文句が有るなら、対案を出せぇ〜。でも、あの頃の野党が議席がほぼ0になった代りに、あなた達が野党に転落しちゃった今はどうですか? 我々への反対しかしてない。今の与党である我々の足を引っ張ってる。なぁ〜に、考えてんですか? あなた達が与党だった頃に当時の野党が国民から総スカンを食ったのと同じ事を、あなた達がやってる。馬鹿じゃないんですか? いいですか、マトモな日本人ってのはクレーマーが大嫌いなんですよ。ああ、たしかに、この法案が通ったなら、あなた達の党に不利になるかも知れませんよ。でも、それが嫌なら対案を出せばいいでしょ。何で、わざわざ、クレーマーになってマトモな国民から嫌われるような真似をするんですか? ほら、対案を出して下さいよ。せっかく、いい大学出てんでしょ。そんなFラン大学生がパワーポイントで作ったようなボードを作ってる暇が有るなら、そのいい頭を使って下さいよ。あのねえ、そもそも、何で今まで対案を考えて来なかったんですか。気は確かですか。それだから、あなた達は野党に転落したんですよ。全く……あ、何ですか、その顔? 国会でブチ切れるつもりですか? ほらほら、少しは冷静になって下さいよ。大臣だった頃に『女は感情的だ』ってtwitterに書いて炎上しかけた人が、何、自分が感情的になりかけてんですか。まったく、しょうがないなぁ……」
大臣は私の質問内容に全く関係ない回答とは呼べない「回答」を延々5分以上に渡ってまくしたて続けた。
しかし……お笑い芸人出身だけあって……話芸の見事さだけは認めざるを得まい。
多分、国会中継を観ている愚民どもは、「大臣がクレーマーを痛快に論破した」と思ってしまうだろう。
「では……質問時間は終了しました」
続いて議長が嘲るような口調で、そう告げた。
「で……でも……」
「これ以上の発言に対しては議場からの強制退場を命じますよ」
クソ……。
何て事だ……。「議席数が少ない政党ほど、国会での質問の制限時間は短かくする」「国会で各党に割り当てられた質問の制限時間には相手からの回答時間も含める」……それはウチの党が与党だった頃に決った事だった。
「では、各党の代表者による議論も尽されたようですので『国会での各党の質問時間の総計をこれまでの3分の1にして、各党への割当時間は議席数の
文句が有るなら対案を出せ @HasumiChouji
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます