まるで揺りかごのような優しさで描かれた学生さん向けの恋愛小説です。
図書館で見つけた秘密の本を通じて行われる文通。顔も名前も知らない相手は色々な本を紹介してくれるまるで「博士」のような優しい人でした。
回を重ねるごとに募っていく相手への想いが丁寧な描写でよく描かれており、初々しい恋愛とはいかなるものなのかを分かり易く教えてくれます。
博士の正体はすぐに判ってしまうかもしれませんが、文通相手が判明しているからこそ読者は結末が気になって物語から目を離せなくなっていることでしょう。
やはり同じジャンルの作品ばかりを読んでいると感動は薄まっていくもの。
物語も人生も同じで、恐れず新しい世界へ踏み込んでいき様々な出会いを体験すべきだと思います。それがきっと豊かな人生と言うものです。
本もまたコミュニケーションのツールとなり得ることを証明してくれる稀有な作品。読書好きであれば、是非!