ep4 出会い
不動産屋に案内してもらった二つの物件はどれも私の条件に合ったものだった。
オートロック、二階以上、バストイレ別、明るめのキッチン。
だがどちらも駅から二十分以上というところが難点だった。
「次が最後の物件になります」
そういえば、と私は気になることを聞いてみた。
「事故物件って、なにがあったんですか?」
バックミラー越しに目だけ不動産屋がこちらを向く。
「そうですねぇ。それは恐ろしいものでしたよ。」
信号が赤になり、運転席の不動産屋が、ふう、とため息をつく。
「三人の大学生が犠牲になりましてねぇ、二人は亡くなって、一人は今も植物状態のようです。なんでも、三人で殺しあったようでして、」
事故物件、と聞くといろいろな答えを連想してしまう。
他殺や自殺、または病死。
だが、思っていたものとは違い、私は驚きを隠せなかった。
殺し合い。
灰色の紫陽花 鈴音 @miyoshiserika
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