第7話 カエ参上!
「はーい」
と、ドアの向こう側の人に返事する。偉い人なら夜中に訪ねてはこないだろうし、ライムPなら事前にメールをくれるはずだ。
「失礼するのですわ」
お、おお……。品を感じさせる手つきで入室し、すごく幼い声で断りを入れる……黒髪縦ロールツインテの幼女……。
かわいらしいアニメ声に、顔から手からお人形さんのようなパーツ、そして雰囲気に合わねぇ和装……に、妙に映える黒髪の縦ロールツインテ……。
「噂はかねがね、聞いているのですわ」
昨日ここに着いたばかりなのに? 噂広まるの早いな。
「あなた」
「はい」
「
違うんです
ライムPとの裏契約だし……。守秘義務とか契約違反とかの言葉が脳裏にちらつく。
「わたくし、
「はい?」
「魔王討伐を
「はい??」
「これからの時代は相互扶助! 皆が皆を助け合って生きる社会!」
ここでそんな選挙の演説みたいなこと申されましても。
「
「たしかに、それはそうですね」
「ですわよね? そうですわよね??」
「自分だけじゃなくて、周りも見れてこその
「そうですの、そうですの! あれ、わたくしは何を?」
「幼女さん!」
アタシは幼女さんの両手を握る。
「アタシ、協力します!」
「本当ですの!? それはとっても嬉しいですわ! あれ、これで合ってますの?」
さっきまでのモヤモヤが、一気に晴れた。
そうだ、アタシが望むのはアタシひとりがチヤホヤされて、輝いて、人気になる世界じゃない。アイドルという
つまり、すべきことは。
「
「さすがですわ! 既に見込みのある人をリストにしてありますの!」
「あ、そう言えば名乗ってませんでしたね。アタシ、ミイナです」
「急に自己紹介ですわね……。わたくしは、カエと申しますわ」
「よろしくお願いします!」
「どうぞ、よろしくお願いするのですわ。……わたくし、
アイドルになりたいアタシは勇者になりたいわけではない!! 空間なぎ @nagi_139
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