大まかなあらすじ

 私は、元々こちらの世界には存在しない。なぜこんな事になっているのか........説明すると長くなるようなありきたりなようなものかもしれない。そもそも私に説明する能力なんてないよ。





「今日も見てくれてありがとー、おつトリ〜」


 そういって、配信終了ボタンを押し配信を終えゲーミーングチェアにだらしなくもたれかかって、盛大なため息をつく1人の少女。防音室に椅子の軋む音だけが響く。

 私は俗に言うvtuberといっても、自分で立ち絵を描いて自分で動かしているセルフ受肉Vライバー。登録者はつい最近1000人を超え収益化したばかりで正直色々大変である。そして私はとてもとても美少女が好きだ、保護してあげたい、なんなら一緒に寝たい。も、もちろんやましいことは考えていないよ?

 でも、たまにアニメを見たり、ゲームをやっていてあぁ、この子とお話したいとか、守ってあげたいとか考えることがある。ラノベとかで人気じゃない?異世界転生とか異世界転移とかさ。

 まぁ、まさかね、まさか、あの配信のあと椅子に座ったまま寝ちゃって次に目を覚ましたときにはもう見慣れた景色じゃなかったなんて.......そして、体が動かせないし声も出せなかったんだよね....布にくるまれてでっかいバスケットみたいなのの中に入れられて森に囲まれた少し開けたところに建つ一軒家のドアの前に置かれていたんだよね。最初はあぁ、夢かってリアルだなぁとか思って再び目を閉じようとしたら催したという表現は違うのかな?おしりのあたりに不快な感触...生暖かい物体に包まれ声を上げたの。泣き声だったけどね。

 少し時間がたって、泣くのも疲れてきた頃にようやく家の主が帰ってきた。ローブを深く被っていて顔は少し見えづらかったけど、ため息混じりに私を抱き上げ、家の中に入ってオシメを変えてもらった。そこで気づいた私赤子やんけって。不快感がなくなり、バスケットに再び寝かされた。私を抱き上げたのは、きれいな翡翠色の髪色で新緑の瞳を持った老婆だった。その後色々あった、あまり覚えていないけどその日から私は異世界にいるのかと考え始めるようになったの。



 「ババ様!魔法おしえて!」


あの日から何年かして私は色々なことを知った。

まず、私を拾ってくれたのは魔女で陽緑の魔導師って二つ名があるらしい。この世界の魔法使いは必ず二つ名を持つらしい。

ババ様は今ではポーションを作ったり、薬を作って生計を立てているけど、実は天変地異を引き起こすほどの力がある魔導師なんだって。そんなばば様に魔法を教わるなんて、こんな幸運なことはないでしょ!

でも、ババ様は頑なに自分の名前を教えたがらないんだよね....なんでだろ....私の呼び方は小娘だったから2歳くらい?のときに名前を...自分で決めた。その日からスイって呼んでもらってる。ババ様呼びはなんかおばあちゃんみたいだったからそうやって呼ぶことにした。


それからババ様の指導を経て私は魔術師ギルドで異彩を放つ存在になった。





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翠嶺の魔女の紀行譚 何処かのあきぐも @akigumo

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