超絶堅物な美少女生徒会長が料理好きヤンキーの俺を脅して奴隷にして自分の世話係にして過剰なほど甘えてくるのが正直キツいんだけど時々カワイイって話

ヤマモトユウスケ

超絶堅物な美少女生徒会長が料理好きヤンキーの俺を脅して奴隷にして自分の世話係にして過剰なほど甘えてくるのが正直キツいんだけど時々カワイイって話



 真宮まみや信二しんじ橘川きつかわ麗華れいかに脅されている。


 真宮信二は学校一の不良だ。

 不良とは言っても、決して喧嘩に明け暮れているわけではない。

 地元トップクラスの進学校で、制服を着崩し、髪を染め、ピアス穴をあけている真宮が相対的にいちばん不良扱いされているだけであって、教師や他人に迷惑をかけることはない。

 ……あんまり、ない。

 外見以外は、すこぶる真面目な少年だ。

 成績だって一年生の中では決して低くない。……高くもないが。


 翻って、橘川麗華は学校一の優等生だ。

 文武両道、容姿端麗。

 切れ長の瞳、艶やかな黒の長髪、モデル顔負けのスタイル。

 特進クラスの中でも頭一つ抜けた成績をマークし、全国模試でもトップテン常連。

 運動部には所属していないが、体育祭のマラソンでは陸上部エースを追い抜いてチームを逆転優勝に導いた、完璧超人。

 実家は大財閥、橘川家。幼少期から英才教育を施されてきた、エリート中のエリート。

 そんな境遇ながら傲慢さとは無縁で、性格は優しく、人望も厚い。

 倫理、規則、校則を重視し、不順異性交遊禁止を掲げるなど、かなり『お堅い』ことくらいしか、欠点がないと言われている。

 の、だが。


「間宮くん。奴隷のあなたに拒否権はございません。早くそこに座ってくださいな」


 真宮信二は、そんな橘川麗華に、脅されている。


(……くそ。なんだって、こんな女に。)


 ここは放課後の調理室。

 世界的なコロナウイルスの流行後、教育カリキュラムが見直され、調理実習がなくなってからは使われなくなったはずの部屋。

 夕焼けの光が窓から差し込んで、いくつも並んだ調理台を赤く染めている。


「……どうしても、やれってのか」

「どうしても、やれと言っております」


 じぃ、と橘川会長に見つめられて、真宮はいやそうに首を振った。


「なあ。やっぱり、考え直そうぜ。アンタがこんなことしちゃ、いけねえ。アンタほどのひとが、他人を脅して、奴隷扱いして無理やり……だなんて」

「もとはと言えば、真宮くんが悪いのですよ」


 橘川麗華はそっと、猫を撫でるみたいに優しい声で言う。


「真宮くんが調理室でしてはいけないことをしていたから……お分かりですよね? もし拒否すれば、どうなるか」

「う、うう……わかったよ! やりゃいいんだろ、やりゃあ!」


 真宮は気合いを入れて、調理室の床に敷いた絨毯の上に正座した。

 膝をぽんぽんと叩き、右手には――大人用の哺乳瓶を構える。


「おお、お、おいで、れ……麗華ちゃん。え、エナドリ飲んで、元気出そう、ね……?」

「もっと甘い声を出しなさい。セリフも幼な妻が赤ちゃんを甘やかす感じでお願いします」

「ぐ……れ、麗華ちゃん♥ えなどりちゅーちゅーして、げんきいっぱいになろうねぇ♥」

「まあ及第点ですね」


 偉そうに言いながら、橘川会長は上履きを揃えてシートの外に置き、真宮の膝に後頭部を載せた。

 膝枕の姿勢である。


「さ、早く飲ませなさい。セリフを忘れないように」

「ちゅ、ちゅーちゅーしましょうねぇ♥」


 絹のような長髪越しに頭を支えてあげながら、哺乳瓶の吸い口を口元に持っていく。

 瓶に満たされているのは、炭酸が入っていないタイプのエナドリ。

 ガチの疲労回復飲料である。一本二千円也。

 橘川会長の艶やかな唇が哺乳瓶の突起に吸い付き、ちゅうちゅう、こくこく、と静かな音を立てて喉が動く。

 切れ長の美貌は、徐々にとろんとしたものになって、やがて涙ぐみ始めた。


「やら……もう生徒会やらぁ……お仕事おおしゅぎでしゅよお……」

「……」

「真宮くん、なにをぼうっとしているのですか。はやく慰めなさい」

「せ、生徒会しんどいねぇ♥ 麗華ちゃんはじゅうぶんがんばってるよぉ♥」

「うう……まま……」


 ちゅぱちゅぱ……と橘川会長が泣きながらエナドリを飲み終えた。

 真宮は会長の体を起こして背中に手を回し、とんとんしてあげる。


「……なあ、これさぁ。とんとんする必要あるか?」

「必要に決まっているではないですか。常識的に考えてください、赤ちゃんはげっぷをしないとミルクを吐き戻してしまうのですよ?」

「常識的に考えて、アンタは赤ちゃんじゃないからとんとんがいらねえっつってんだよ。……そもそも、俺がアンタに哺乳瓶でエナドリを飲ませている状況がどうかしているんだけどよ」


 客観視すれば、特殊なプレイにしか見えない。

 しかも。


(とんとんするとき、抱き合うみたいな体勢になるの、けっこう恥ずかしいんだよなぁ。)


 生徒会長ファンに見つかったら血祭りにあげられてしまうだろう。


「しかし、真宮くん。やけに女の子を抱っこし慣れていますよね」

「ん? ああ、小学生のころ、年下の女の子の世話してたんだよ。年下つっても、学年でいえばひとつかふたつ下くらいだと思うけどよ」

「……ほう。それは、どのようないきさつで?」

「あんまりいい話じゃねえぞ。時間ねえだろ、作りながらにしようや」


 抱き合う体勢をやめて、立ち上がる。

 橘川会長も名残惜しそうに立ち上がって、上履きを履いた。


「本日は、なにを?」

「厚切りのフレンチトースト。一晩じっくり卵液に漬けて、中まで染み込ませてある」

「それだけ分厚いと、火を通すのが難しいのではありませんか?」

「そうでもない。バターで表面に焼き目を付けたら、蓋して火ィ止めて余熱でな」


 調理室の端っこの冷蔵庫から、卵液とトーストの詰まったタッパーやバターなどを取り出し、てきぱきと用意を始める真宮。


「ったく。飯だけなら、脅さなくたって食わせてやるのに」

「真宮くん、『食わせてやる』とは、どうやら立場がわかっていないようですね。調理室の無断使用を『見逃してあげている』のは、私のほうです」

「材料は持ち込みだし、片付けと掃除だってしてるんだぜ? いいだろ、ちょっとくらい。調理室、俺んちより調理器具も揃ってて便利なんだよ」

「いけません。ガス代や電気代も考慮していただきませんと。当校は我が橘川家の資金で運営されている私立高校です。言い換えれば、あなたは私の家のお金で勝手に料理をしているのです。無断使用分をいまから請求してもよいのですよ?」

「……へいへい」


(めんどうなヤツに見つかっちまったよなぁ。)


 内心でぼやきながら、フライパンをコンロに載せて、火にかける。

 バターの弾ける音。こうばしい香り。

 卵液でひたひたになったパンをそっと投入する。


「……で、アレだ。昔な、俺、団地に住んでたんだよ。公営のヤツ」


 崩さないよう、慎重かつ丁寧にひっくり返し、両面に焼き色がついたら、蓋をして火を止める。

 あとはこのまま、数分待てば完成だ。

 真宮は教員用の背の高いスツールに腰かけて、言う。

 橘川会長は、生徒用の普通の椅子にちょこんと行儀よく座った。

 話を聞く姿勢だろう。


(……懐かしいな。)


 ふと、思う。

 あの子も、そうやってちょこんと座る女の子だった。


「俺んち、母子家庭でな」

「お母さまは、たしか、漫画家さんでしたね?」

「俺、それ言ったことあったっけ? ……まあいいや」


 真宮は頭を掻いた。


「いまは母さんの仕事がうまくいってるから、いいとこに引っ越したけど、昔は貧乏でさ。母さんは毎日アシスタントに行って、忙しくしてた。朝早くに家を出て、深夜に帰ってくるような生活でな。家事はほとんど俺がやってた」

「それで、真宮くんは料理がお上手なのですね」

「まあ、そうだな。……んで、小学校三年の、ある日な。土曜だ。家の前の階段にさ、女の子が座ってたんだよ。ちっちゃい子でさ。俺の胸くらいまでしか、身長なかったし、腕も足も細くてがりがりだった」


 胸の高さに手を上げて見せる。


「服もボロボロで、たぶん風呂にも入ってない感じだった。で、腹がぐるぐる鳴ってんのよ。虎の鳴き声かと思った」

「女の子の空腹を、そんな風に称するものではありません」

「へいへい。で、俺はその子に聞いたんだ。『いまから昼飯だけど、一緒に食うか?』って」


 橘川会長は目じりを緩めて微笑んだ。


「お優しいのですね、昔から」

「母さんに言われてたからな。『ひとりでごはん食べるの寂しかったら、友達呼んでもいいのよ』って。あと『女の子には優しくしなさいね』とも」


 言いつけの複合技だった。

 真宮は女の子を家に入れて、風呂に入らせ、服を洗濯して乾かし、昼ごはんを振る舞った。

 その間、女の子は一言も発しなかった。

 ただ、リビングの椅子にちょこんと座って、うつむいて、でもご飯はしっかりと食べた。


「抱き合ったのは、その子ですか」

「昼寝してたら、抱き着いてくるんだよ。泣きながら」


 子供ながらにびっくりしたが、言い付けもあったから、とりあえず抱きしめ返していたのだ。


(……いや、ガキのころの俺、すげえな。)


 なかなか大胆な行動力を持っていたのに、いまは調理室に忍び込んで勝手に料理をするくらいだ。


「その日から毎週、土曜の昼に、その子は階段に座ってた。風呂に入れて、服洗濯して、一緒に飯食って昼寝するだけの仲だったから。俺がもっといろいろ知ってたら……だれか大人に、その子のことを相談してたら、話はもっと簡単だったんだろうがな」


 苦笑する。


「三か月くらい、そういう生活が続いてさ。一緒に昼寝してるとき、母さんが帰って来たんだ」


 息子と一緒に寝る、小さな子を見て、母はどう思ったのか。


(そういや、聞いたことねえな。)


「珍しく仕事に区切りがついたって言って、昼にさ。当たり前だけど、俺は母さんに女の子を紹介した。一度も喋んなかったから、名前もわかんねえけど、友達なんだ、ってよ」

「……それで、どうなったのです?」

「想像通りだよ。母さんは、俺から事の次第を根掘り葉掘り聞きだしてから、すぐに警察に連絡した。女の子……被虐待児を保護していますってな」


 たくさんの大人がやってきて、真宮に何度も同じ質問を繰り返した。

 いつ頃から女の子を見かけているのか、最初に会ったときはどういう格好だったか、とか。


(……風呂に入れるとき、体の傷を見たか、とかな。)


 嘆息する。

 あまりにも目まぐるしかったので、そのあたりのことは、よく覚えていない。


「下の階の子だったんだ。普段はずっと家に閉じ込められてたけど、土曜の昼間だけ……親が愛人を連れ込むときだけ、外に放り出されてたらしい」

「……その子は、いまは?」

「知らねえ。児童相談所かどっかが、ちゃんとしてくれたんだろうよ。俺も引っ越して学区が変わったし、結局最後まで名前を聞かなかったから調べようがねえ」


 真宮はごまかすようにフライパンをゆすって、蓋を開けた。


「あんまり明るい話じゃねえ。言ったろ? 俺の失敗談ってやつだ」

「真宮くんがいたから、その女の子は保護されたのでしょう? 失敗とは言えないのではありませんか」

「いいや、失敗だよ。俺が初手で母さんに相談してりゃ、それで終わってたんだ。三か月も待たせる必要なかった」

「……そうかも、しれませんね」


 白い皿に厚切りのフレンチトーストを移す真宮に、橘川会長はそっと微笑んだ。


「それでも……私は、真宮くんがその子を救ったのだと思いますよ。あなたは間違いなく、その女の子の心を癒したのです」

「……どうだかな。そうだといいけどな」


 真宮はなにかを振り払うように、首を横に振った。


「さ、辛気臭い話はここまでにして、さっさと食おうぜ。今日も生徒会に戻って仕事なんだろ?」

「……いやなことを思い出させないでください。せっかく忘れておりましたのに」


 フレンチトーストに彩りで生クリームとハーブの葉を添えて、メープルシロップを少しだけ垂らす。

 ふたり並んでテーブルに着き、両手をあわせる。


「いただきます」


 同時にそう言って、甘い軽食にナイフを刺し込む。

 外はバターでカリっと、中は蒸されてふわふわな、理想的なフレンチトースト。

 卵の味と砂糖の甘味を、バターの香りが包み込んでいる。

 真宮がぺろりと平らげると、隣の橘川会長はまだ半分ほどだった。

 一口一口、嚙みしめるように食べていて、その表情は、


(……いつも、そういう顔してりゃカワイイのに。)


 一瞬、真宮が見とれるほどのものだった。

 あまりじろじろ見るべきではない。

 真宮は食後のコーヒーを用意しておくため、立ち上がった。


 コーヒーを飲み終えた橘川会長は、お上品にハンカチで口を拭いてマスクを着け、いつものお堅い表情に戻った。


「では、私は生徒会室に戻ります。真宮くんも下校時刻までには片付けて帰るようにしてください。本日もよい癒しをいただきました。ありがとうございます」

「まあ、調理室使わせてもらえんなら、いいけど」


 真宮は皿を流し台に置きながら、聞いた。


「あのさ。イヤなら、やめりゃいいじゃねえか。生徒会長、なりたくてなったわけじゃねえんだろ? 出資者の娘だから、教師陣に担ぎ上げられたって聞いたぜ」

「……そうですね。そういう側面があって選ばれたことは、否定しません」


 橘川会長は立ち上がって、調理室の扉へ足を向けた。


「でも、つらいこともありますけれど、全部がイヤなわけではないのです。私は生徒会長という職務に、誇りと責任と、そしてなにより満足感を持って、取り組んでいますから」

「……そうかい。だったら、わかった。疲れたら、また来な」

「ええ。また、甘やかしてもらいに来ますので」

「それは勘弁してほしいんだが……。そうだ。カスタードプリンが冷えてる。持っていくかい?」

「ええ、ぜひ。できれば、いくつかいただけますか?」

「生徒会の人数分、ちゃんと作ってあるよ。出所は言わないでくれよ?」

「もちろんです。真宮くんこそ、私がここでサボタージュしていることは、だれにも言わないように」

「ハ。アンタと俺は一蓮托生ってわけだ」


 笑いながら、真宮は保冷剤とプリンのカップを白い箱に詰めた。

 扉まで持っていって手渡すと、橘川会長は目じりを緩ませて微笑む。


「真宮くんは……ほんとうに良いママですね」

「ママじゃねえよ」

「マミャ……」

「崩して呼ぶな」



 ●



 橘川麗華が調理室を出て、廊下の角を曲がったところで、眼鏡の女子が待ち受けていた。


「……副会長。待たなくてもよいと言ってありましたのに」

「生徒会長。お疲れさまです」

「お疲れさま、ではありません。癒されてまいりましたから」

「そうですか。それは重畳。……お手に持たれているのは?」

「カスタードプリンです。人数分あるとのことですから、あなたも」

「ご相伴に預かります」


 廊下を並んで歩く。

 真宮信二が調理室を無断使用していること、そして生徒会長橘川麗華がそれを見逃していることを、副会長は知っていた。


「本日は、確認していただきたい書類がいくつか。あと、運動部会の部長陣から、予算に関する陳情が」

「予算審査会は?」

「無視しろ、と。そもそも年始に決められた予算を今になって覆そうというのが無理ですから」

「ふむ。陳情の中身次第ですが、必要な予算であれば、なんとか通してあげたいですね。部活動は、消耗品が多いですから」


 生徒会室へ、足早に向かう。

 今日は少し、いつもより長く癒されすぎた。

 肌艶の良い橘川麗華を横目で見て、副会長はコホンと咳ばらいをする。


「恐れながら具申いたしますが、会長」

「なんでしょうか」

「真宮信二に、言わなくてもよいのですか」

「なにをです?」

「昔、ご飯を食べさせてもらっていた女の子は、自分である……と」


 副会長の問いに、橘川麗華は足を止め、


「……よいのです。それは、言わなくても」


 短く答えてから、また足早に歩きはじめる。

 副会長が追いすがった。


「ですが、会長。真宮信二は、あのままで気づかない可能性が高いと存じます。栄養状態が悪く、年齢のわりに痩せていた子供時代と、いまの会長はそう簡単に結びつかないでしょう。……特に、真宮信二は朴念仁のようですから」

「だからこそ、ですよ。鈍感だからこそ、私は彼のほうから気づいてほしいのです」


 マスクをしているから、副会長には見えないだろうが……橘川麗華は、こっそりと唇を尖らせた。


「だって、悔しいではありませんか。運動も勉学も、この美貌も……彼に見合う淑女になるべく、たゆまぬ努力を続けてまいりました。養子に迎えてくれた橘川家の援助もありましたけれど、それでも、私は努力したのです。彼のために」

「悔しいのはわかりますが。進展がないのは、もっと悔しいものなのでは」

「だれにも言えない秘密を共有する関係も、楽しいものですよ」

「……なるほど、そういうことでしたか。差し出口を失礼いたしました」

「いえ。あなたには、いつも助けられておりますよ、副会長」

「もったいないお言葉です、会長」


 目配せし合ったところで、ちょうど生徒会室に到着した。


「さあ、仕事の時間です」

「はい、橘川会長」


 扉を開いて、中に入れば。

 今日も、辛くて苦しくて単調で、しかしやりがいのある仕事たちが待っている。



 ●



 後日。

 生徒会長橘川麗華は、またしても調理室を訪れていた。


「……あの、橘川会長? なんでアンタが先に正座するんだ? それじゃ、いつもみたいに哺乳瓶でエナドリ飲ませられねえんだが」

「いつも、私がよちよち♥されておりますから。たまには私のほうからよちよち♥してさしあげたいな、と思いまして」

「い――いやいやいやいや! それはダメだろ! なんか……なんか、ダメだろ!」

「ダメではありません。さあ、どうぞ私の膝に頭をのせてください。たっぷり甘やかして差し上げますので。言っておきますが、奴隷のあなたに拒否権はありませんよ、真宮くん」

「……ぬ、うう……わかった、やってやるよ! ええい、ままよ、だ!」

「はい、ママです♥」

「そうじゃねえよ」


 いまはまだ、冗談のような関係だが。

 この関係が進展するときは、きっと来る。

 それまでは、たっぷりからかってやるのだと、決めている。



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