第2話 怪異の種

ドン! ギギギギギギ 列車が急停車した

入学初日に 列車事故 恐らく人身事故だろ

車内放送が流れている

俺は 気味が悪いので 一番後ろの車両へ移動した

あれ? 後ろの車両の人々が 前の車両に移動して来る

最後尾の車両に来て分かった さっき通過した駅のホームの下に 人間の下半身が落ちていた、駅員が慌てて 毛布を被せている

「まじか」

そのまま 何分も停車している 

すると 近くの爺さんが呟いた

「またか 南無阿弥陀仏 ここは昔から事故が多い」

その爺さんの話では 年に1 2回は有る様だった

「ほれ あそこを見ろ あの陸橋 あそこから飛ぶんだ…」

そうか あの駅は各駅しか止まらない 急行に向って飛ぶ様なのだ

陸橋の上から 見下ろす人も 見えた

「昔は もっと多かった あの陸橋の横に 精神病院が有ってなぁ 今はアパートになってるのだが…」

ガコン 振動と共に列車が動きだした

都会は 復旧も早いらしい

そのまま 線路を眺めていると 踏切の所に毛布が敷かれていた

恐らく 上半身だ 


次の停車駅は 目的地ではなかったが 降りる事にした とにかくこの列車から降りたかった

陸橋から覗いていた 人はさっき話をしていた老人に似ていた

降りる時 老人をもう一度 確かめたが 姿は無かった

俺には 同じ人に見えた 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

桃囮島奇脳本 桃囮島 @kuno71y

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ