江戸編と同じく、今作も海のリアリティが、本当に丁寧に、丁寧に、描写されていっています。とても読み応えがあります!
作者様は、海女さんか漁師さんなんじゃないか、と思ってしまうくらいでした。
すぐれた情景描写、読みやすさへの工夫……文学作品としての魅力が、この作品には詰まっています。
海に挑む、人生に挑む――ひとりの少女の、挑戦の物語だと思いました。
みちるを助けてくれる、ヒーローのような咲恵。
その咲恵の芯の強さが、読む者の心にまで、強さを与えてくれるように感じました。
海の波が、新しい夜明けとともに爽やかに広がるような、気持ちのよい読後感を覚えました!!!
▼主人公・中学生の桑江みちるは、先祖の因縁の土地、唐子浜に引っ越してくる。
順調に滑り出したかに見えた学校生活だったが……人間関係から、みちるは難しい状況に陥る。
運命の人、咲恵との出逢い。
咲恵に救われ、励まされ、みちるはひとつの挑戦をはじめる。
その挑戦の行方は――!?