第二章 人類の進化のために
第4話 第三人称視点 本編起動
フジミは昼食のために病棟に戻った。公立の精神科単科の高原病院の飯はうまいとの評判でフジミも不満はあまり感じなかった。刺身が出ないことと、夜食が売店のパンかカップラーメンしか食せないことが不満と言えば不満だが仕方ない。。。
はなから売店で無尽蔵に食品を買えるほど金がない、ここの患者はみんなそういう状態であったが。
だから食い物が悪ければ暴動じみたものが起きる、みんなそう陰口を叩いてほくそえんでいた。
でも誰も言わないさ、
「暴動なんていきやしねー」って、
何故か?
だって聞いたことないだろう、こんなみっともない「暴動」なんて。。。
みんなだってそう理解していた。
フジミは白米が好きで白米さえ少しばかり多く食べられたらなんでもよかった。よって何を食ったのか「記憶」がないが、「満足」したという記憶だけが堆積し、沈殿していった。
フジミは高原病院の生活を愛していた、なぜならここの生活は底辺そのものだったからだ。人は所謂「底辺」の生活を忌み嫌い、なんとか逃げ出したと切に願うだろう。そのために努力だってする、確かにそれが人として、また、
「人類」が文明や文化というものを構築してきた原動力になってきたのは確かであろう。
だが、本当に「文明」や「文化」がそれほど尊いと断言できるだろうか?
言い換えれば、人はそれによって生き、それによって死に絶える存在なのではないだろうか?
フジミは「文明」「文明」と唱え念じ切りながら死に絶えたところで、それは野垂れ死にとなんら変わることろはなく、無意味なことなんだと考える。
しかしまたこうも考える、「人類」は無意味なものにすがらないと生きていけない存在だとも。。。
だからフジミは未来に何かを残そうと抗う人をあしざまに笑おうとは思わない、だがそうしない、またはできない自分を笑おうとするものも決して許しはしない。
そもそも過去現在未来なんて時間の流れすら人が自然の現象を理解するために勝手に捏造した「概念」にしか過ぎない。
時間の流れを宇宙の絶対的な真理だと信じ切っているバカが多すぎる、フジミはいつもそう考える。
みたことのない世界 ラッパー 伝説 @neonoizumi
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