第14話
ちよこエピローグ
感情の流れに身を任せ、立ち入り禁止の柵を飛び越え、草を掻き分け風見鶏の館に私は走る。蔦を引き千切って、重い木製のドアを開け、軋む階段を一息で駆け上がり、脚立を使い天窓から屋根に登り、風見鶏に向けて手を伸ばす。
風見鶏の足には白いハンカチ。結び目をほどくとハンカチが風を孕み、なびき、広がる。ハンカチには雨で少しだけ、にじんだ字で【あなたにはきっといます運命の人が】と書かれてた。
私は願う。
他には何もいりません。
神様どうか安吾君の気持ち私に下さいと。
強い強い風が吹き髪がなびき、服が風を孕む。その瞬間まるで願いが聞き届けられたかのように風見鶏はクルっと一回転した。
終わり
砂糖とチョコレート 黒縁めがね @kuromeganedesu
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