第2話:煙の国②

ノラたちが目を覚ますと日はもう高く登っていた。


「え!?なんでこんなにわからなかったんだ?」


ノラがびっくりしながら考えているとすぐさま結論に至った。


この国は煙のせいで辺りの日光がぼやけ届きにくいこと、煙のせいで生き物はあまりいないこと


ノラは自分がマスクを外したまま眠っていたらどうなっていただろうかと少し考えていた


そして、ノラは何も考えずに街を出て国の真ん中へと歩いていった。


真ん中の塔に行く前にひとりのよぼよぼの爺さんがタバコを吸いながら座っていた。


まるでこの世の終わりを見ているかのように


ノラは不思議に思いその男へと話しかけた。


「この国は何があったのですか?」


そういうと爺さんは気力なく答えた


「昔、この国は今のようではなかったとされている。塔の下に行けばわかるが三人の商人が遥か昔にここの国に寄りタバコを売ったとされている。」


「というと、もしかしてですが貴方はあの塔をずっと眺めていて憶測ですがいつか倒れるのではないかと思っていたのでしょう?」


「ああ、何故か煙だけでもあの塔はもう腐食が進んでいた。わしは昔整備士とかでなあの塔の点検に行ったのじゃ。すると見事に配線、水道管、電線などが煙の影響で腐食が進んでいてもう使えない状態じゃ。」


「すると…。」


「皆まで言うな、お主は今日この国を出た方が良い。それがそちの定めであろう?」


その爺さんは全てを見透かしたようにまた塔を見上げていた。


同じようにタバコを吸いながら…。


ノラとエミネスは急いで西門から国を出国した。


エミネスが全速力を出して国を離れた頃あの塔が轟音を鳴り渡せ崩れ落ちた。


どこからか笛の音が聞こえたような気がした


だが、一つの国が滅びたくらいでは旅行記は終わらない。まだまだ世界は広いのだから。


崩れ落ちた国の中で一人が呟いていた。


「旅人よ。其方はいずれ他の国を色々回らないといけない重要な役目を持っている。こんなところで死なれてはいけない。」


そう呟くとその声は完全に煙に覆われ途絶えた。


「ノラ。あの国はほんとにあれでよかったのかな」


「さあ?それは彼らの思考次第だね。」


そう言い少女は車に乗り、また荒野を走り出した。


終わりの見えない冒険へ。



      _____あとがき_____

皆さんノラ之旅行記を読んでくださりありがとうございます。


一応1話は終わらせましたがこれからもノラは何処かへと途方のないところへとまた向かっていきます。


最近は1週間後に5月考査があるのでまあ不定期となりますが、休日は最低2話平日は最低1話は書きたいなと思っています。


今のところこれしか書くネタがないのでね。


ではまた次の話で

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ノラ之旅行記 秋空楓 @akizorakaede

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