問題8 気持ちはどう動くのか

よし!

気合を入れて家を出た

今日は私に与えられた最大の試練をクリアする日。

優生くんに気持ちを伝える日。

でも、そう思えば思うほど背中が重くなる。

なんだろう、、、、。

私は疑問に思いながらバスに乗った。




「え〜、今日は転校生を紹介する。

ビートネス高等学校という男子校からきた子だ。」

ビートネスと聞いてみんながざわざわした。

ビートネス高等学校は日本一難しい男子校で、偏差値65以上はいるという超難関高。

そんな生徒がどうしてこんなどこにでもある学校に来たのかわからなかった。

「入っていいぞ〜。」

先生の言葉である一人の男子が入ってきた。

私はその顔だけで誰かわかった。

「片岡幸介。ビートネス高等学校から来ました。よろしくお願いします。」

私は思わず顔を隠してしまった。

今の私の顔は誰にも見られたくないくらい真っ赤になっていたからだ。

優生くんも気づいたらしく、私の手をそっと握ってくれた。

そしてこっそり、「晴香のことは、絶対あいつになんかに渡さない。」と言った。私はその一言でもっと顔が赤くなってしまった。

優生くんってば、どれだけ私のドキドキポイントを貯めるんだろう、、、。




昼休みになり、私はいつも通り机に参考書を広げながらサンドイッチを食べていた。

「え〜っと、X=12/5だから、、、、。」

私が問題を解いていると、「よ!」と声をかけられた。

「こーちゃん、、、、。」

「はるがこの学校にいたなんてびっくりしたよ。

はる、頭よかったのにこの学校でよかったの?」

「うん。この学校で新しい自分になることができたから。」

「ふ〜ん、、、、。

ねね、そんなことよりも、今度さ、会えたことを祝うためにどっか行かない?

美味しそうなお店見つけたんだ。」

「いいよ!いこいこ!」

こーちゃんはにっこり笑って「じゃあ!勉強頑張れよ。」と言った。

私も笑顔で返したが、気持ちの中はモヤモヤでいっぱいだった。

いこいこ!って言ったけど、内心、そんなに乗り気じゃないんだよね〜。

今は優生くんと一緒にいたいよ、、、、。

そう思いながら優生くんの席を見た。

優生くんは座っていなかった。

多分友達と屋上に行ったのだろう。

私、本当に今日のうちに気持ちを言えるのかな、、、、。



結局、私は気持ちを伝えずに家に帰った。

私はモヤモヤを消すように大好きな勉強を始めた。

なのに、消えない、、、、、、、。

私の涙がポタポタと参考書にこぼれ落ちた。

「なんで、私っていつもこうなんだろう。

・・・なんて情けなくてだらしない人間なんだろう!」

私は参考書をしまい、ベッドに寝転がって泣きじゃくった。

優生くん、ごめん、私と優生くんじゃ無理なんだよ。

つり合わないんだよ。

今までたくさんのことを優生くんに教えてもらったのに、ほんとにごめんなさい。

私はもう何も考えられなくなっていた。

その時、「晴香!」優生くんの声が聞こえた。

「大丈夫!?」

ああ、優生くんが来たんだ。

私は嬉しさと悔しさがごちゃ混ぜになった気がした。

また迷惑かけちゃうのかもしれない。

でも、それでも、立ち上がる勇気が必要なんだ。

それが、私が恋から学べた最大のことだ。

そして、今私が一番伝えたいことは、「大好き!!」

言えた。私は、青春というのが少しわかったような気がした。


                             終わり




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恋の授業 小説大好き女子 @tkt-yuu

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