問題7 三角関係はどういうものなのか
「ん?どしたの?」
こーちゃんのなまけた声が聞こえた。
と、思った瞬間、ギュッ!!優生くんに抱きつかれていた。
「あなたは誰なんですか!?すみませんけど、晴香は俺の大切な彼女なんです!むやみに触らないでください。」
優生くんはとてつもなく怖い目でこーちゃんのことを睨んだ。
「あ、あのね、優生くん。この子は幸介くんって言って、私の幼なじみなの!
最近全然会ってなかったから、少し喋ってただけなの!」
私は必死に優生くんを説得した。
優生くんは少し考えて、「じゃあ、晴香はそいつのこと好きなわけ?」と聞いてきた。
いきなりの質問に私はビックリぎょうてんしてしまった。
好き?好き、、、す、、き、、、。
私がなんて答えようか迷っていると、「優生?だっけ。君が晴香の彼氏かなんか俺は知らないけどさ〜、俺は晴香のことが好きなんだ。
だから俺の前ではイチャイチャしないでくれる?
そういうの、ムカムカするから。」こーちゃんが言った。
そのままこーちゃんは自分の席に戻って、ポップコーンを口に放り込んでいた。
優生くんと私は、気まずい空気のまま、映画館の席についた。
「おかえり〜!デート、どうだった?楽しかった?」
ひよりちゃんが明るい笑顔で私を迎えてくれた。
あれから私たちは映画館をでてほとんど何も喋らずに別れた。
「それが、、、。」私はひよりちゃんに全てを話した。
「なるほどね、、、、。晴香ちゃん、三角関係って知ってる?」
三角関係、、、。いきなり数学の話?
でも数学にそんな単語なかったはず、、、、、。
「何?それ。」
「晴香ちゃん、やっぱり知らないか〜。
三角関係っていうのは、例えば、晴香ちゃんと優生は両想いでしょ?でも、さっき言ってた幸介くんは晴香ちゃんのことが好き。
すると、優生くんと幸介くんはライバルの関係になるの。
それを簡単に図にすると三角になってるから、みんな三角関係って言ってるの。」
私は、ひよりちゃんの説明を聞いて三角関係が少し分かった気がした。
でも、気になってるのはそこじゃない!
「ひよりちゃん、もしもその三角関係?になってしまったら、もう優生くんと話せないの?」
「ううん、そんなことはないと思うけど、お互い、わかり合うことが大切だと思うよ。晴香ちゃんは優生のことが大好きなんでしょ?じゃあ、その気持ちを優生にぶつけなきゃ!晴香ちゃんならできるよ!!」
そうだよね、やっぱり、ずっと黙ってちゃダメだよね。
「ひよりちゃん、私、もう一回優生くんとちゃんと話をしたい!
ありがと!」
ひよりちゃんは笑顔になって、「うん!がんばれ!」と言った。
私はさっきよりも軽快な足で外に出た。
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