おひめ

バブみ道日丿宮組

お題:安全な姫君 制限時間:15分

「お姫さまだってさ」

「凄いね」

 さすがお嬢様学校。

「僕たちとは住んでる場所が違うんだろうな」

「同じ寮に住んでるでしょ」

「そうなの?」

 全然気づかなかった。

「食堂にも現れるし、お風呂にだって入ってくる」

「庶民みたい」

「お姫様だって、人間よ」

「それもそうか」

 一呼吸。

「でも、同じ空気を吸っててもいいのだろうか」

「許可されてるんだからいいんじゃないの? お姫様からのいじめとかされたくない」

「悪の令嬢みたいなの?」

「中にはたぶんそういった人もいるだろうけど、お姫様からは悪い話は聞かないね。逆に心配されるぐらいには交流がさかん」

 意外。

 もっと狭い環境で過ごしてるのかと思った。

 話せるのは決まった人で、近づけるのもある一定の地位がある人。

「わぁ、こっちくるよ」

「なんだろ」

 お姫様は軽く会釈すると、

「はじめまして、異国のお方」

「はい、異国です」

「なに、その返し……」

 お姫様と話したことなんかないんだから、当然でしょ!?

「今回こちらに特別に編入されたとのことですが、どのような特別なのでしょうか」

 噂ごとが好きなお姫様だった!

「たまたま拾ったものが国のお宝で、学校にいけてなかった僕を国が支援しようって形になったんです」

 学校に通えなかったのは資金面。

「あたしはおまけでついてきました!」

 どこかえらそう。

 偉い人が目の前にいるというのに、自信たっぷり。

「そうなのですか。それは大変でしたね。ちなみに何を拾ったんですか?」

「闇が書かれた本でした」

 中二病という不治の病で書かれた本は、物語でもあり、資料でもあった。

 その作者というのが、この国の王様ということだ。

「大変興味深いですね。閲覧はできないんでしょうか」

 このお姫様だいぶぐいぐいくる方だ。

「国のお宝ですから、許可がないと見れないんじゃないでしょうか」

「あなたは見たのですか?」

「はい」

「羨ましいです」

 心底そう思ってる笑みを浮かべてた。

「これもなにかのえんです。よろしくお願いしますね」

「はい、お願いします」

 さっそうとお姫様は元いたグループのところへと戻ってきた。

 グループからは、はてなの顔がこちらに向けられてきたが、笑って返した。他の返事の仕方はわからない。

「愛想よくしないとね」

「いじめはよくない」

「されてもいないから、話題にするのはよくないんじゃ?」

「そういうものかな?」

「病は気からっていうでしょ。いじめもきっとそうだよ」

「なるほどねぇ、参考にしとくよ」

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おひめ バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

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