少女とピアノ

シカンタザ(AIのべりすと使用)

少女とピアノ

休日に俺はぶらぶらと散歩していると、何やら人だかりができているのを発見した。

「なんだろう?」

興味本位で近づいてみると……どうやら音楽会が行われているようだった。その中央にはピアノがあり、そこには小さな女の子が座っていた。

「へぇ~」

思わず感心する。こんな小さな子が弾けるんだなぁ……。しかし……なんだかどこかで見たことがあるような気がした。……ん?あれは……。少女の横顔を見て、ようやく気づく。あの少女って確か……。

俺がそう思った瞬間、少女は演奏を始めた。……上手いな。というかこの子……誰だっけ?いや待てよ、この感じ前もあったぞ。確かあれは……そうだ!あの時の!

「……ふぅ」

少女の演奏が終わると、拍手喝采が巻き起こる。それを見た少女は照れくさそうに笑みを浮かべた。

「お疲れ様です。素晴らしかったですよ!」

観客の一人がそう言うと、彼女は嬉しそうな表情になる。そして次の曲を演奏し始めた。……えっと、名前はなんていうんだっけかな?……思い出せない。まあいいか。別にそこまで気にすることでもないだろう。

「いやぁ素晴らしいですね。感動しましたよ」

いつの間にか隣にいたおっさんが話しかけてきた。

「ありがとうございます。実は私、今度小学生向けのコンクールに出場するんですけど、なかなかうまくいかなくて……」

彼女が困ったように笑うと、おっさんは優しく微笑む。

「きっと大丈夫ですよ。あなたならきっと入賞できますとも」

「……そうでしょうか?」

「もちろんです。あなたの演奏はとても心に響きましたからね。それにとても可愛らしいですし、審査員の方々にも好印象を与えるはずです」

……なんかおっさんの目が怪しく光っているように見えるのは気のせいですかね?……まあいいか。

「……ありがとうございます。ちょっと元気が出ました」

少女がニコリとほほ笑む。するとおっさんの顔が一瞬にして真っ赤になった。

「そ、それは良かった。ところで君の名前は?」

「私は……七海といいます」

「なるほど。では七海ちゃん、またいつか会いましょう」

……え?

「はい。さようなら」

「ちょ!?まっ!」

俺の言葉を聞く前に、おっさんは去っていった。……まさかあいつロリコンなのか?……いや違うな。あれはただの変態だ。

「はぁ……」

深いため息をつく。なんであんな奴がモテるんだよ……。世の中理不尽すぎるぜ……。

「……あれ?あの人は……」

ふと視線を感じそちらを向くと、そこには先ほどの少女がいた。

「やっぱりあの時の!」

「……あっ!お兄さん!」

少女はパァッと顔を明るくさせる。……相変わらず可愛いな。

「どうしてここにいるんだ?」

「……えっと、今日は友達と一緒に遊びに来たんだけど、その友だちとはぐれちゃって……それで一人でブラブラしてたらここで演奏会やってて、見てたらそこにお兄さんが来たってわけ」

「なるほどねぇ……。ちなみに君は何年生なんだ?」

「六年だよ」

「そうか。じゃあ来年から中学生だな」

「うん!楽しみだなぁ……」

少女が目を輝かせる。俺はそんな彼女の頭を撫でてやった。

「わぷっ!もう!急に何するの!」

「ごめんごめん。つい懐かしくてな」

そういえば昔もよくこうして頭撫でてあげたっけ。……なんだか遠い昔のことのように思えるな。

「むぅ……。お詫びとして、私のお願い聞いてくれる?」

上目づかいでこちらを見つめてくる。……反則だろこれ。

「ああいいぞ」

「ほんと!?やったー!」

彼女は嬉しそうに飛び跳ねた。……この子ってこんなキャラだったっけ?

「それで、何をすればいいんだ?」

「あのね!一緒に竜宮城に来てほしいの!」

「りゅ、りゅうぐうじょう?」

思わず聞き返す。

「うん!今から行くから準備して!」

「いやだからどこに!?」

「いいから早く!」

彼女は強引に俺の手を引いて走り出した。

「待ってくれ!まだ心の準備ができてないんだ!」

「だめ!これ以上待ったら日が暮れちゃうもん!」

「わかった!いくから!手を引っ張らないでくれぇ~!」

結局、俺は彼女に連れられ、竜宮城へと向かうことになった。

「着いたよ!」

「……ここって」

目の前にある建物を見て思わず固まる。……そう、そこは紛れもなく水族館だった。……マジですか?

「さぁ行こう!」

「えっ?ちょっと待っ!」

俺が止める間もなく彼女は中へと入っていく。……ええい!こうなったらヤケクソだ!覚悟を決めようじゃないか!

「……すごいな」

幻想的な光景に思わず見惚れてしまう。……こんな場所があったのか。

「きれいでしょう?」

「……そうだな。とても綺麗だ」

少女が自慢げな表情をする。

「……君は本当に不思議な人だな」

「どういう意味?」

「いや別に。なんでもないよ」

「変なお兄さん」

「ほっとけ」

しばらく二人で館内を歩き回る。……しかしどこもかしこもカップルばっかりだな。少しだけ嫉妬してしまう。……まあ俺には関係ないけど。

「あっ!あれ!」

彼女が指差した先には、大きな水槽があり、その中にはサメがいた。

「わぁ~!すごぉ~い!」

彼女が瞳をキラキラさせながら言う。

「確かに凄いな」

「うん!……ねえ、私もいつかこういう場所に行けるかな?」

……ん?

「どうだろうな」

「……そっか」

なぜか悲しげな顔になる。……一体どうしたというんだ?

「よし!じゃあ次はあそこの部屋に行ってみよう!」

「いやだからちょっと……」

「レッツゴー!」

少女は俺の言葉を無視して走り出す。……もう勝手にしてくれ。

「ここは何の部屋なんだ?」

「えっとね、確か『音楽室』って書いてある」

……へぇ。

「入ってみるか?」

「うん!」

扉を開けるとそこには……。

「なんじゃこりゃ……」

部屋の中は、様々な楽器が置いてあり、まるで小さなコンサートホールのようになっていた。

「すごい!お兄さん、弾けるの?」

「まさか。俺はただの学生だよ」

「そうなんだ……。でもせっかくだし何か演奏してみてくれない?」

「……しょうがないなぁ」

「やったー!」

俺は近くの椅子に腰かける。……さて、何を弾きましょうかね。

……。

「ありがとうございました」

一礼すると拍手が巻き起こる。……なんだか照れるな。

「すごく良かったよ!お兄さんって何でもできるんだね!」

「そんなことないよ」

「ううん。そんなことあるよ!だって私はこんなに感動したもの!」

「そうか……。ならよかったよ」

少女が興奮気味に語る。

「うん!それにしても、やっぱり人間はいいなぁ……」

「どうしてだ?」

「だって、こうして私たちとおしゃべりしてくれるもの」

「……そうか」

「……ねえお兄さん。一つ聞いてもいい?」

「ああ、答えられる範囲でなら答えるぞ」

「……お兄さんの夢は何?」

彼女の真剣な眼差しに、思わずドキッとしてしまう。

「……俺は」

正直、夢なんてない。今までそんなことを考えたこともなかった。……だけど。

「……まだ分からない」

「そっか」

「……すまない」

「いいのいいの!謝らないで!」

「……そうか」

「うん!それよりも、今日は楽しかった!」

「それは何よりだ」

「また遊びに来てくれる?」

「ああ、もちろん」

「ほんと!?嬉しい!」

「約束するよ」

「絶対だからね!破ったら針千本飲ますから!」

「怖いこと言うなっての!」

彼女は嬉しそうに飛び跳ねた。

「さあ、次はどこに行こうかなぁ~」

「あのさ、一つ聞きたいんだけど」

「なぁに?」

「その前に、君の正体はなんだ?」

「正体?そうだなぁ~」

彼女は腕を組み考える仕草をする。

「私は『海姫(うみひめ)』よ」

「海姫?」

「それ以上は秘密!」

少女はにっこりとほほ笑んだ。

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少女とピアノ シカンタザ(AIのべりすと使用) @shikantaza

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