第1話 【回想】
俺には結婚を前提に付き合って同棲している彼女がいる。
”名は体をあらわす” なんてよく言うが、まぁ花もそんなとこなんだろう。
無邪気な笑顔が可愛くて、華奢で、色白で。
この前美容室に行ったのだと見せてきた、明るい栗色の巻いた髪がよく似合っていた。
そういえば、今年の夏は2人で海にでも行こうかなんて話をしていた。
その後に地元の祭りに行って、学生時代の友人にでも会えたらいいねと話した。
夏祭りの屋台で食べる焼きそばは別格だと花に言ったら、お好み焼き派だからと小一時間諭されたこともあった。
花と俺との出会いは高校の入学式だった。
俺は、入学式当日に車の渋滞により式に遅刻し、遅れて会場に入った。
入学式の席はクラスごとの名前順になっていて、遅れて入った俺は会場にズラリと並んだ椅子の間を、まるで障害物を避ける猫の足かのように慎重に進んで行った。
ようやく見つけた自分のクラスの列、自分の席を確認し、顔も名前も分からないクラスメイトに会釈し小声で謝りながら席に着いた。
「ーおっと、君が”初日遅刻くん” かい?」
はじめまして、結婚してください。 りつ @Ritsu_T
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