中世・英国女王エリザベスの幼少期を浮き彫りにした本作品。
中世欧州を代表する女王が一人、エリザベス女王。
彼女が権力を握った後のことは広く知られているかと思いますが、本作はその人格形成期にスポットが当てられます。
かの冷徹な女王は如何にして構成されたのか?
本作で描き出される過酷な環境。創作で書かれた世界よりでは嘘くさいと感じられるのではと感じられる政治世界は、実は史実から掘り起こしたものでして。その中で生き抜いた少女が、歴史的な女王としての人格を陶冶されていくまでを浮き彫りにされています。
物語と言うより歴史エッセイに近いのかな、という記述の本作は作者様が綿密に資料を渉猟した跡がうかがえ、当時の世情を窺いながら世界に入り込めます。
決して長くないながらも力作と呼ぶに相応しいと感じられる本作、手に取ってみるのはいかがでしょうか。