第8話本当の敵は・・・トゲ。



 「ふぅ~。」

 

 勝てた。

 ・・・生まれて初めての戦いに勝てた。

 そう思った途端力が抜けて息が漏れた。

 倒れているニードルマウスを見る。

 

 「俺がこいつを倒したんだよな・・。」


 初めて、自分の意志で生き物を殺した。

 だが、ヘビになったせいか殺したことにあまり思うことがない。

 ・・・それよりも。


 「グゥーー。」


 こいつを見ていると腹が鳴る。

 自分の腹がこいつを食べたいと訴えている。

 しかし、食べるとなると・・・今の俺はヘビだ。

 つまり・・・丸飲みするしかない。

 別に丸飲みすることに抵抗感はない。

 これもヘビになった影響か?。

 抵抗感はないのに何故食べようとしないのか・・・それは。


 「こいつのトゲトゲが邪魔すぎる。」


 ニードルマウスという名の通り背中からいくつものトゲが生えており丸飲みすることが出来ない。

 今のおれには手が無いため解体することは出来ない

 トゲがない部分を嚙みちぎって食べようかとも思ったのだが、ヘビの歯は上に大きな二本の牙が生えてるだけ。

 二本しか生えていないので嚙みちぎることも出来ない。


 「う~ん、どうしたもんかなー。」


 困った本当にトゲが邪魔すぎる。

 腹が減っていて、目の前に獲物がいるのに食えないからかだんだんイラついてきた。

 

 「トゲがウザすぎる!。」


 戦いの時もトゲは厄介だったが、倒し終えた後の方が厄介すぎるとかどういうことだよ!。

 なんでトゲごときでこんなにも悩まされるんだよ!。

 

 「はぁーー。」


 マジでどうしよう?。

 ・・スキルでなにか役立ちそうなのあったけ?。

 

 「ステータスオープン」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

種族:ブラックスネーク

Lv:1/20

H P:20/20

MP:40/40

攻撃力:15

防御力:22

魔攻撃:15

素早さ:25

ランク:E+


属性スキル:

【炎属性Lv1】【水属性Lv1】【風属性Lv1】 

【土属性Lv1】【雷属性Lv1】【闇属性Lv1】

耐性スキル:

【闇耐性Lv1】【炎耐性Lv1】【水耐性Lv1】

【風耐性Lv1】【土耐性Lv1】【雷耐性Lv1】

【物理耐性Lv1】 

スキル:

【毒牙Lv1】【鑑定Lv1】【気配遮断Lv1】

【テイルアタックLv1】


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「おぉ!」


 ステータス画面に新しいスキルが2つ増えていた。

 新たなスキルを2つ獲得出来たのは嬉しい・・嬉しいのだが、スキル名からしてトゲをどうにかできるようなスキルではないな。

 獲得出来て嬉しいような、今求めているものではなくて少しがっかりという二つの感情があり複雑な気分になる。

 これも全てトゲのせいだ!。

 トゲのことで悩んでいなきゃ普通に喜べたのに!。

 おのれ~トゲめ!。

 マジで早くこのトゲをぶっ壊したい。






 ・・・えっ、こいつを食べることを諦めて他の生き物を見つければいいだと。

 いやいや、それだと俺はこの糞ウザいトゲに負けたことになる。

 嫌だ、それだけは嫌だ!。

 何故、本体ニードルマウスには勝ったのに背中に生えているだけのトゲごときに俺が負けねばならんのだ!。

 俺は、絶対にこのトゲをぶっ壊してこいつを食う!。

 俺はそう心に誓ったのだ!。

 〇ろうに〇心の殺さずの誓いのように‼。






 ・・・うん、俺は一人でなにおしているんだろう。

 聞いてきた相手はいないのに。

 ヤバい何故か急に冷静になりさっきの一人会話が恥ずかしくなった。

 ハイになりすぎて急に熱が冷めるやつだこれ・・・。


 「だめだ。一回頭を冷やしてからトゲをどうするか考えよう。」


 俺はニードルマウスの首に尻尾を巻き付けて湖のある場所へ移動した。



 

 

 


 


 

 

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『憧れの異世界転生!だが何故ヘビなんだ‼︎』 @kenken23

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