エピローグ 華は君の為に咲く



赤い苺を目にする度に。


和菓子屋の前を通りかかる度に。


赤い宝石を目にする度に。


首にかけた鎖が揺れる度に。





君が私をほんの少しだけ思い出すのを、私は知っている。


ほんの少しだけ、私がしたような表情をするのを、私は知っている。




ああ、でも。




…君は覚えていないのだろう、玲衣がいたことを。




一緒に笑って、傷ついて。




それでも生きたことを。




…でも、それでもいい。




君は生きてる。




私も…君の中で生きてるから。




君がもしも奇跡を起こして、それで…もしも、私のことを思い出してくれるなら。




それまで待ってる。



だから、それまでは_____










これは、私だけが知る本当の物語。












___華は誰が為に散るものか 完


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華は誰が為に散るものか 灰月 薫 @haidukikaoru

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