第3話 『春雨』

40年後、


男が一人、旅立った。


男の棺にはひとつの腕時計が遺族の手により

入れられる。


火葬場の点火スイッチが押される。


炎の中で、私は、思った。


『秀一さん、


はじめてあなたの名前を呼びます


これからは二人の時間を刻みます


終わらない時間を…』


完。

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『不純な恋の透明度』 石燕の筆(影絵草子) @masingan

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