不正を追求し追放された剣技の話
カウント@現代倫理は事故現場
セイカツヒは生活費ではありません
むかしむかしとくくるにはあまりに近い、ほんの少し昔の話。
あるところにこの世の中を変えるべく剣技を究めんとする一人の男がいた。
男は剣技としての力を獲んと、山越え川越え街の果てまで、若者からおじいさんやおばあさんまで津々浦々の老若男女に、「不正は許さず追及する」と看板を掲げ、願ってまわった。
いよいよ迎えた街の聖剣選択の場。男は念願叶って剣技として力を持つ者の一人に選ばれた。
しかし男は聖剣を持つことも、双肩に担うこともできなかった。無所属新人の剣技として力を得たが、力の正しい使い方を学ぶ機会を得ることができなかったのだ。
力を持て余した男は、いつしか剣技としての活動費の不正を追求するにいたった。
そんな男の剣技としての暮らしは長く続かず、いよいよ嫌疑が明るみとなり、男は瓦版等の記者の前で話すこととなった。
男は居直り、号泣し、絶叫しながらのたもうた。
「この世の中をぉぅ、この世の中を変えたい。
その一心でぇ、文字通り、命懸けでぇ、一生懸命訴えてぇえ。皆様に選ばれてぇ、やっと、なったんですうぅ。
もっと大きな、目標を。自分の力で、一人の僅かな力ではありますけれども、解決したいと思っているからこそ。堪えにこらえて、真摯に受けとめて、折り合いをつけさせていただきたい。」
泣き喚いての受け答えは物珍しく、瓦版等を通じ瞬く間に広く市中に伝聞され、見世物の如く井戸端会議の話題をさらえた。
ついには、聖剣を持つものを交えた話し合いがもたれ、剣技の活動費の在り方の見直しにいたった。
この世の中を変えんと不正を追求した男は、道化師となり不正を追及されることで世の中を変えることができたとさ。
めでたし、めでたし。
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