第47話 ドキドキ?

「涼太、またあれ乗りに行こうぜ」


 くっ、またか……


 もう夕方になろうとしてるが美佳はまだまだ元気だ。こっちは朝から9割りぐらいは絶叫系に付き合わされてヘロヘロだ。これならトレーニングジムの方が楽だったかも……


 なにしろ今日だけでここの遊園地の絶叫系はもうすべて10回以上は乗っている。美佳と来るなら他の人も誘わないとダメだ。俺1人では相手に出来ない。一応酔い止め飲んでて正解だったな。



「おっ! そろそろ帰らないといけない時間か。それじゃあ次が最後かな」


 やっと最後か。なんとか耐えきれたな。


「じゃあ最後は観覧車にでも乗ろう」


「ん? 最後も絶叫系じゃなくていいのか?」


「涼太が乗りたそうだったし、絶叫系はもう満足したからね」


「そうか……」


 俺が観覧車に乗りたかったのは少しでも休憩したかったからなんだがな。

 まぁ、美佳なりに気を使ったのだろう。


 そして俺達は最後に観覧車に乗った。一周25分ぐらいみたいだ。結構デカいので1番上の景色が楽しみだな。


「いや〜、今日はめっちゃ楽しめたな。久々息抜き出来たよ」


「まぁ、楽しめたならよかったよ。だが次またくるなら俺1人では無理だ」


「あははっ、ごめんって! つい楽しくて絶叫系ばっかになってしまったね」


「ここまでとは思ってなかったぞ」


「まぁまぁ、ここまで付き合ってくれたお礼にサービスしてやるから♡」


 そう言うと美佳はワンピースを捲り上げパンツを見せてきた。


「なっ!? 何考えてんだよ」


「何ってお礼だよ。涼太にはこれが1番かな? って」


「何故そうなるのか分からんが、美佳には恥じらいというのはないのか?」


「やだな〜、私だって誰にでも見せるわけじゃないよ?」


「俺ならいいって言うのか?」


「だって涼太の反応可愛いから」


「……」


 結局、揶揄われてるだけか。ちょっとでもドキドキした俺が馬鹿みたいだな。


 ……ん? 美佳相手にまたドキドキ?

 今日の美佳の雰囲気が違うせいで俺の調子まで狂ってきたのか?


「おーい! 涼太、何そんなに考えてるんだ? 私のパンツでも思い返してるのか?」


「なっ、何でもねぇよ」


「おやおや〜、そんなに慌てて図星だったのかな?」


「違うって。ほらもうすぐ1番上だぞ? いい景色だな」


「話を逸らして怪しいぞ? まぁ確かに景色は綺麗だな」


 美佳に怪しまれはしたが誤魔化す事はできた。美佳相手にまたドキドキしてたなんてバレたら大変だ。なんとか平常心を保たなくてはな。



 なんとか誤魔化しながら観覧車は1番下へ戻ってきた。


「いや〜楽しんだな。じゃあ、デートらしく帰りも手を繋いで帰ろう?」


「まぁ、それぐらいなら構わん」


 そして俺達は遊園地を後にして帰る事にした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

White〜俺の周りがぶっ飛んでる気がするがおかしいのは俺なのか? おぼろ @oborogekka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ