もう勘弁してくれ。そう言いたくなることが、働いているとよくある。
人は完璧ではない、むしろポンコツよりだ。だからヒューマンエラーと言うのは当たり前に起こるので、一般的に良識のある会社は、それをシステムやルールでカバーしている。そして大概は、社員のミスはすぐにキャッチアップされるように設計されている。
しかし、時折そういった常識を超えた問題外の問題が発生してしまう。長年の失敗の積み重ねから生まれた仕組みを、一瞬で破壊する問題児が出現する。問題児を出現させないようにするための仕組みを破壊する問題児が。しかも、それは人事異動や期の変わり目といったちょっとしたスキを突いて平然と姿を現す。
僕も、作者と同業者だったので分かる(そしてどちらかというと加害者側)が、この話を読んでて胃が痛くなった。
人の話を聞く分には不幸な笑い話で済むが、当事者としては不幸で片付けられたくない。それほどの理不尽な惨事が世の中にはまかり通っている。
とりあえず、社会で頑張って働いている僕も含めたみんなに言えることは、理不尽なことにあったら周囲の信頼できる人に相談して、ネットでも定期的に情報収集して万が一に備えましょうね。と言うことだ。
ザード@さんが、死地から何とか生き残って文章として残してくれたことに、労いの賛辞と感謝を。
私も似たような事がありましたね。直属の課長とその上の部長に話しは通し退職願を出てるのに、上司が握り潰したとゆうか紛失。
課長にどうなったか確認したら部長からは調整中と連絡きたので返事はもう少し待って欲しいと言われたが時間も迫ってるので部長に直接話したが書類がで出ないので退社を辞めたと思ってたといわれた。
課長に文句、言ったら机の中きら出してきて出したつもりで忘れてたからすぐに部長に出しに行くと。
その後も、連絡なく課長の信用度最低なんで部長に話したら未だ届いてないと。
最終的に人事部の部長に直接乗り込み経緯を説明したら、最初の希望予定日で退職となりました。
勿論、労基にも相談済みとゆう事で話しをしたら人事部長は顔面真っ青。課長は小さくなりながら私を睨んでましたが。
後、有給の消化は殆どできませんでしたね。
予定通り、有給消化してたら一日置きに会社からヘルプの電話くるだけならまだしも、私の個人の電話番号を課長が顧客に教えかかってくる始末。
旅行先にもかかって来て、すぐ会社や顧客に行ける場所にいろと。
有給の意味無し。
引き継ぎ予定も決まらず、引き継ぎ資料を作ったが大破量になった為ら引き継ぎ者がギブアップ。何の為に調整したか判りませんでしたね。
転職を決め、無事内定を得たSES(システムエンジニアリングサービス)の“ザード@”は現在勤める会社を退職する手続きにかかった。が、そこから思わぬ攻防が開始されることとなる。理不尽と言うよりない、37日間の不毛な闘いが——
現代日本でもめずらしいものではなくなった転職ですが、過程にとんでもない人が関わると悲劇が生まれるもの。本作におけるその人は、著者さんの仕事に直接関わる営業さんなのですが、社会人としての未熟さや独善性がどれほど恐ろしいものと成り果せるか……それと闘わなければならなかった著者さんがどれほど苦悩したものか。37日という時間の順を追って書き上げられた“事実”、他人でしかない読者の背筋をも冷たく震わせる恐さを見せるのです。
社会的動物である人間は人との関わりがなければ生きてはいけません。しかしながら、関わる人によって社会はこうまで歪められてしまうものなのですよね。
もしかすれば明日のあなたが味わうこととなるかもしれないひとつのリアル、心を据えてご一読ください。
(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=高橋 剛)