第2話 知ってたの……?

残り100日


 この30日間で色々進んだ、ハグをしたし、キスをした、彼女は意外と積極的で自分としてはとてもうれしい。訓練?してるよ、週6で日曜日以外は休みなし、まぁ俺としては彼女と長い時間一緒に居れるからいいんだけど、俺はずっと短距離を繰り返し走らされるだけだし、それ以外は戦術的な指導で結構退屈だ、彼女はスパーリングを永遠と繰り返す、「私は座学は向いてないから」だそうだ


「今日も疲れたね」


そうやってタオルを渡す


「うん、今日は特に疲れたかな」


「お二人とも、少しお時間よろしいでしょうか」


エマさんが休憩室へ入ってくる


「どうかしました?」


「ええ、少しCFシステムついて補足を」


早めにしてほしかったな補足……


「補足ですか」


「はい、お二人の意識を融合すると説明いたしましたが、もっと細かく説明いたしますと、神田さんが左脳領域を、浅田さんが右脳領域を担当、といいますか……そちらの要素が強く出ます、なのでこれまで神田さんが論理的に、浅田さんが直感的に動けるように訓練をしてきました、そのあたりの説明をしないままに訓練を開始しましたので、遅くなりましたが説明をいたしました」


だから戦術指導か、でもなんで走るんだ?


「なんで走るんですか俺」


「それは長時間の融合に耐えるためです、今の状態でも10時間程度は耐えることはできますが、作戦時間は20時間程度を想定しているので浅田さんは申し分ないくらいの体力がありますが、神田さんは少し心配なんです、なので一番体力強化に効果的な無酸素運動を行っているわけです」


あーーなるほど、初めて融合した次の日めっちゃだるかったんだよな……それか


でも作戦ってなんなんだろうか


「あのー作戦の内容ってまだ聞かされないんですか」


と、唯が聞く


「そうですね作戦開始のめどが立ったらお伝えいたします」


「いつ頃には……」


「そうですね……」


と、悩む素振りを見せたときもう一人入ってくる


「明日、学校を休めるかい?」


と、所長が入ってくる


「え?はい大丈夫だと思いますけど」


「私も大丈夫です」


うんうんと首を縦に振る


「じゃぁ明日9時ごろに来てくれるかな?作戦の細かい内容が決まったから」


「決まったんですか」


「ああ、エマ君こんなところに」


気づいてなかったんだ


「ではA(エース)が直接?」


「ああ、そこしか空いてないというんでな」


「そうですか、では準備をしておかなけれまならないので失礼します」


部屋から出ていくエマさんを見送る


「まぁそういうことだからよろしく、親御さんにはこちらから連絡しておくよ」


「なんていうんですか?」


「え? ああ、言ってなかったっけ。親御さんは全部知ってるよ、君たちが付き合っていることも含めて」


「え?」


知ってて何も言ってこなかったのかよあいつら


「え?幸樹君知らなかったの?」


「知ってたの逆に?」


「初めてここに来た時にお母さんからふわっと聞かされてきたんだけど」


「そうだったの……?」


「ならどうしてここに来たの?」


「いやゲームやってたらシステムメッセージが」


「ゲームのメッセージなんか信じたの!?」


「なんかって!いやデータ消すって脅されたんだよ!そう!脅されたんだよ!」


「それについては嘘だけどね、来なくても消すつもりなかったし」


「じゃぁ俺はバカってこと!?」


「ふふっかわいい」


「可愛くないよ!」


「じゃぁ僕もそろそろ、ここに長く居たら胸焼けしてきそうだし」


ひらひらと手を振って出て行ってしまった




手をつないで二人仲良く家路につく


「こっから帰るの慣れてきたな」


「あの日からほぼ毎日こっからだもんね」


他愛もない、ふわふわとした話を繰り返す。気が付けばもうすぐ唯の家の近くまで来ていた


「時間って経つの早いんだな」


「へ?」


「ああ、いや楽しいと時間が経つの早いんだなって思って」


「うん、もう私のお家だ」


「そうだね」


「もうちょっと遠かったらよかったのに」


「仕方ないよ、どうせもっと遠くても早く感じるよ」


「それもそうだね、ありがと送ってくれて」


と、キスをする……今日は長めだ


「じゃあね!」


と手を振りながら駆け足で家の中へ入っていく


「お、おう」


まだこれに慣れてない俺を置いて


帰る時間は大体遅くても午後9時ごろ、学校が終わって4時間程度訓練をする。しかもそんな時間にまぁめっちゃ強いけど、女の子を一人で帰らせるのはよくないので送って帰るとどうしても遠回りになってしまうので帰るのは10時ごろ、まぁでも毎日5時まで起きて周回してた頃よりよっぽど健康的だし、ってか最近めっちゃ筋肉ついてきたし、やっぱ運動ってするだけで違うんだな……しかも0時には寝てるから授業中眠くない!これがめちゃくちゃデカい、授業中に出た課題を後で隣の奴に聞かなくていいし、最近成績も伸びてきたし、良いことずくめだな


「ただいまー」


「ご飯いる?」


「もうおなかペコペコよ」


「あそ、じゃあ先お風呂入ってきちゃいなさい」


「あ、そういえば」


「何?」


「全部知ってて言ってくれなかったの?」


「まぁ、そういうことお母ちゃんに知られてるのって嫌なんでしょお父ちゃん曰く」


「まぁそうだけど……俺が言いたいのはそこ以外のとこだよ」


「ああ、何とかシステムってやつ?」


「そうそう」


「その辺はあんたに任せようって決めたから」


「そうですか、俺死ぬかもしんないんだよ?」


「それでもやるって言ったら辞めないじゃない昔から、もう彼は決めましたって言ってたし、なら母ちゃんたちが何言っても意味ないかなって」


「はぁ、母さんが言ったらやめたよ俺」


「そう?でも今楽しそうだし、それとあんたが世界を救いました!なんてなったらお母ちゃんたちもう近所に言いまくっちゃう」


「なんだそれ」


「ほら、入っちゃいなさい」


脱衣所へ押し込まれる、親父は何を言ってんだか


風呂から上がって飯を食った、今日はカツ丼だった、めっちゃうまい。ここだけの話、母さんはめっちゃ料理ウマいと思う、そして今日は疲れたので布団に入り、瞼を閉じる

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Consciousness Fusion System 里芋の悲劇 @satoimonohigeki

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