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「誰かいますか?」
ひよこが地下にある部屋の扉を開けると、そこには誰もいなかった。
確かに誰かがそこにいたような気がした。
でも、実際にはその部屋の中には誰もいなかった。
おかしいですね。ただの気のせいでしょうか?
古風なランプを手に持ったひよこは一人で首をかしげている。
そのとき、そのランプの灯りの中になにかがちらっと動く影をひよこは見つけた。
その影に向かってひよこがランプの灯りを向けると、そこには『一匹の白い子猫』がいた。
白い子猫はひよこに見つかると、とても驚いた顔をして、「にゃー」と小さな声で鳴いた。
「まあ、猫ちゃん? あなたはどこからこんなところにまで迷い込んできたんですか?」と驚いた顔をしてひよこは言った。
そんなひよこの横を白い子猫はものすごい勢いで駆け抜けていく。
「あ、待って、猫ちゃん」
とひよこはいう。
でも、白い子猫は立ち止まったりはしなかった。
そのまま真っ暗な闇に包まれている地下の通路の中に消えていってしまった。そんな風景をひよこは一人でただぼんやりと見つめていた。
まどろみの家 雨世界 @amesekai
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