ACT.48 最終話 『銀髪の残り香』


フラワー騎士ナイト居住ブロックに通されたエターナ


130-001

永遠とわがいた部屋の扉を、そっと開けるエターナ。ちり一つない整然とした部屋。出撃して自分が死ぬかもしれないと思い、敢えて何も残さなかったのかもしれない。


机の引き出しに手をかけるエターナ。引き出しの中に、何か光るものがある。フォログラフィーカードのようだ。スイッチを入れると永遠の像が浮かび上がった。


立体映像の永遠は、電力が残り少ないせいか直ぐにでも消えてしまいそうだ。


「これがアミュレナ様?」

「ハッ」

「目を怪我されている。でも、私にはわかる」

「美しい......お方......」


何かの気配を感じたエターナ。

ハッとして、後ろを振り返る。


「アミュレナ様⁉」


しかし、永遠の姿はない。

銀髪の甘い香りが、部屋を通り抜けた。


それは、超帝国νの大地に咲くオレンジフラワーの香りだった。その他にもヴァイオレット、ラベンダーやジャスミンの香りがして、複雑に混ざり合っている。恐らく、永遠が、母星から持ってきた香水の香りだったのだろう。




「フフフン」

「ラララ―」


エターナ、右脚を軸に軽やかに一回転。



エターナのチョーカーとブレスレットのアップ。指先が美しい。



エターナの金髪が、永遠とわの美しい銀髪へと変化していく......。



終幕



ACT.55 最終話『銀髪の残り香』終

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掌編小説集『気分はパイロット-病弱少女駆るるは戦旗ワルキューレっ-』 2環乃ことり  @yukino_suzuki

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