第2話 君だけで十分
「あ、先輩だ」
そこには、1人で本を読みながら購買に売っている菓子パンを齧る先輩が居た。
「おーい、│
「へーい」
俺は先輩に話し掛けようとしたが、友達に呼ばれたので話し掛けずに行くことにした。
◇
「先輩、先輩って友達いないんですか?」
「……喧嘩売ってる?」
先輩は本を読むのを辞め、こちらを睨む。
「売ってないです売ってないです。先輩を見かける時いつも1人で居るので」
すると先輩は、少し間を開けて
「別に友達くらい居る」
「え、でも先輩が誰かと一緒にいる所を見たことがないんですけど」
「…友達は居る。でも友達は選んで決めるタイプだから少ないだけ」
「へぇ、じゃあ誰と友達何ですか?」
俺がそう言うと、先輩は少し考え込んだ。
「…本屋の店員とか」
「他には?」
「駄菓子屋のおばちゃん」
「他には?」
「……カフェの店長」
「………学校の友達は?」
俺がそう聞くと、先輩は黙り込む。
「やっぱり居ないんですね。俺が言うのもあれですけど友達は作っておいた方が「…みが…る」え?」
「だ、だから君が…居る」
「……他には?」
「…私には君が居れば十分」
俺の頬がぶわっと一気に熱くなる。俺はそれを見られないように机に突っ伏せる。
いやいや、ダメだ。勘違いするな。先輩は舌足らずなだけだから。
俺は自分にそう言い聞かせ、心を静める。
「先輩、男の人にそんなこと言っちゃダメですからね…」
「?なんで」
「男は女の人が思っているよりチョロいので」
「?」
先輩は今日も無自覚に俺の心を暖かくしてくれる。
先輩(女)は今日も無自覚 猫のストーカー @konohageeeee
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。先輩(女)は今日も無自覚の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます