題名「見えない絵本をつかまえるはなし」

中村翔

秋と夏


 ボク「秋せんせー!!あそぼー!!」

 先生A「あらあら。秋ちゃんいつから先生になったの?ふふふ。」

 秋「えーっと話せば長いことながら、実は絵本を書いてるところを見られて・・・それで・・・。」

 ボク「秋せんせーはすごいんだよ!物凄いの!」

 先生A「あら。じゃあ一つ頼まれてくれないかしら?」

 秋「なに?」

 先生A「今度の子供会でやることなくてねー。秋ちゃんに絵本を書いてもらってボクくんに読んでもらおうか。それでいい?秋ちゃん。」

 秋「いいけど。(子供会って大丈夫なん!?シェルターの外に出たら怒られるどころじゃ・・・)ヒソヒソ。」

 先生A「大丈夫。子供会やるところ、結構広いから迷子になる子もいるくらいだから。ね?」

 秋「わかった!!わかりました。はあ。弟みたいって言っても血は繋がってないのになあ・・・。」

 ボク「血のツナガリってなに?」

 秋「私とは結婚できないってこと!」

 先生A「そんなに嫌なの?やめるなら今だよ?」

 私 (実際子供に披露できるってのは素直な意見聞けるってことでもあるから嫌ではないんだよ)

 私「やる。」

 先生A「素直な意見ばかりじゃないかもよ?ほら、子供ってよくもわるくも純粋だから。」

 秋 (やばっ。。。口を突いてた・・・)

 先生A「それでもやる?やめてもいいんだよ?」

 秋「一回でもやるって言っちゃったんだからやる。これでもプロ意識芽生え始めてるんだから。」

 ボク「先生おはなしおわたー?」

 先生A「そうだね。ボクくんいい?これからおねえちゃんと一緒に練習しよう。うまく出来たらごほうびあげるからね。」

「なになにー?」

 先生A「ボクくんが子供会で絵本読んでくれるそうです。拍手!」

 ボク「???えへへ?」

 秋「ボクくん絶対わかってないな。」

 がらがら。

 秋「ふー。さて途中まで出来てたやつ続きやろう。」

 むかしむかしのおはなしです。

 きれいなキレイな海に囲まれていない大陸がありました。

 そこには川も湖も何もありませんでした。

 ただそこにはキレイなサカナの女のひとつまり人魚さんがたくさんたーくさんすんでいました。サカナのいない人魚の国でした。

 みなはいちように美しさをきそっていました。

 あるときは南の人魚がうつくしい。

 あるときはひがしのにんぎょがうつくしい。

 そしてあるときは───

 そんな国で生まれた人魚のお姫さま。

 ある時ある興味深いうわさを耳にしました。


 ふー。絵に色をつけてっと。

 今日はここまで。日にちはたっぷりとあるからじっくりと仕上げないとね。

 ボク「がらがらーういーんぴしゃっ。」

 秋「ボクくん。今日から練習をはじめるからね?」

 ボク「はーい!なにすればいいの?」

 秋「秋の描いた絵本読みたい?」

 ボク「うん!!!」

 秋 (こえでっか・・・)

 秋「じゃあこれ。読んでみようか?」

 ボク「よむー!。」

 秋「じゃあ声に出して?」

 ボクくんが未完成の絵本とこちらをにらめっこしている。

 秋「どうしたの?」

 ボク「よめないよ・・・うう・・・。」

 秋 (ナイターーー!?)

 秋「・・・むかしむかしのおはなしです。」

 ボク「ぐすっ。」

 次の日

 秋「はー。はー。寒いよ。こりゃ氷点下ってやつだね。」

 ボク「ひょーてんはざんけーん!」

 秋「そうだね。手が悴んでるから今日は色付けは無理かなー。」

 ボク「絵本今日はおやすみー?」

 秋「ふっふっふっ。実はねボクくんに試練を与えよう!」

 ボク「しれーん!ななれんしょうしゃほー略してぇ。しれーん(七連⇨しちれん⇨しれーん)!!」

 秋 (小声で説明つけやがった!?)

 秋「試練はなんと!秋の描いてる絵本を完成する前に全部読めるようになってもらう!」

 ボク「よろしーでしょー!しかーし!試練にはたいかがひつよーです!」

 秋「むう!それは仕方ないね!代償として一日一本のウマイボーでどうですか!?」

 ボク「日本。」

 秋「えっ。」

 ボク「日本。」

 秋(日本てなに??日本諸島を所望するとかそういうシャレ??)

 秋「日本は無理かなー?」

 ボク「いっぽんはむりかなー。」

 秋 (2本か・・・日本!?)

 秋「日本はむりですがー!なんとぅ!!3本なら可能です!」

 ボク「じんるいはついにつきまでいったぁ!!」

 秋「そういうことで3本でよろ。」

 ボク「りょ↑ーかい→!!」

 秋「じゃあ早速むかしむかしのおはなしです。」

 〜〜〜〜〜〜〜

 〜〜〜〜〜

 ボク「そんなくにでうまれたにんぎょのおひめたん。」

 秋「おしいなー『そんな国で生まれた人魚のお姫さま』だよ。うまいうまい。これは才能を感じざるね。」

 ボク「ウマイボー3本!!はやくはやく!」

 秋「じゃじゃん!3種類の味を御用意致しました!」

 ボク「明太子。」

 秋「なんか急に日本語が流暢になる時があるよね。」

 ボク「えっへん!」

 ボク「実はね。ボクは未来からやってきたんだよ。」

 秋「へー。未来?モグモグ」

 ボク「未来では人は死に絶え。最後の7人の秋と七人賢者しか生き残っていませんでした。」

 ボク「七人賢者は秋があと一人いなくなると地球から重力が消え。」

 ボク「呪いの完成によってセカイと世界が滅んでしまうと言いました。」

 ボク「7人の秋はそれぞれ対策を立てました。そのうち一人の秋が言いました子供産めばいいじゃん。」

 秋「解決しちゃった。」

 ボク「しかし呪いは許しませんでした。世界を呪いが許さなければ子供を産むことができないのです。」

 秋「わー。たいへん。」モグモグ

 ボク「しかし未来では七人賢者と7人の秋によって呪いがチカラを失って行ったのです。」

 ボク「そしてついに一人の男の子が生まれ計画は開かれました。」

 秋「・・・」

 ボク「呪いが完全に開かれる7年前に男の子を贈ったのです。」

 ボク「これは未来からの贈り物。」

 ボク「やさしいやさしい春を告げるベル。」

 ボク「・・・秋。もうわかるよね?計画は失敗。」

 秋「モグ」

 ボク「あと1年のうちに世界は再び14人が生きるだけの死のルームシェアを繰り返すのです。」

 秋「あっ、ごめん明太味食べちゃった。」

 ボク「しけーにしょす!!」

 秋「あはは。じゃあ私たちで救おうよ。」

 ボク「たらこ味あったからいいやモグモグ」

 秋「結婚しよっか。」

 ボク「うん。うん!!??!!??」

 秋「まあ。シェルターの中で生きるのも悪くないけど。」

 秋「外に出た方が絶対楽しいし。」

 ボク「???」

 秋「じゃあ約束。秋お姉ちゃんと結婚すること。」

 ボク「/////」

 秋「じゃあもう絵本を書く必要もないか。あははははははは。」

 秋「アッハッハッハハハハハハハハハハ

 ハハハハハハハハハハハハハ

 ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ

 ハアッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハアハハハハハハハハハははぁ。」

 秋「じゃ。死んで。」

 秋の手には色えんぴつを削る為に使っていたカッターナイフが握られていた。

 グサリと。骨を掠りながら刺さるナイフの嫌な音が頭にながれた。




 警官「ひどいもんだ。赤い雪が気化したらこんなふうになるとはな。」

『今日避難生活がはじまって初の赤い雪による犠牲者が出ました。犠牲者は1人。身元がわからないくらい切り刻まれており、名札にはナツと書かれていましたがナツという園児はおらず───』

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題名「見えない絵本をつかまえるはなし」 中村翔 @nakamurashou

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