魔法使インキュバス

シカンタザ(AIのべりすと使用)

魔法使インキュバス

僕は今まで、自分が何者であるかを気にしたことはなかった。なぜなら、僕は自分以外の誰かになることなんてできないと思っていたからだ。でも、そうではなかった。ある日突然、僕は自分自身を見失った。それからというもの、僕は自分とは何かを考え続けている。でも、いくら考えても答えが出ることはなく、ただただ時間だけが過ぎていった。そんなある日、僕は一人の女の子と出会う。その子はとても優しく、温かく、そして美しかった。そんな彼女に恋をした僕は、自分の気持ちを伝えることにする。しかし、僕の告白は見事に失敗した。それでも諦めずに何度も挑戦した結果、なんとか恋人になることが出来た。こうして僕は本当の意味で自分を手に入れたんだ。

僕は今、彼女の部屋にいる。彼女は僕に背を向けたまま、本を読んでいた。僕は彼女と一緒に居られるだけで幸せな気分になれる。僕は彼女と出会ってから、少しずつ変わっていった。まず初めに、僕は自分の身体の変化に気付いた。身長が伸び、声が低くなり、体つきがしっかりしたものになっていった。それに比例するように、心にも変化が訪れた。以前は他人に興味がなく、何を言われても平気だったが、今は違う。他人の言葉に傷つくことが増えた。僕はそんな自分に戸惑っている。なぜ、急にそんなふうになったのかは分からないけど、きっと、それは彼女が教えてくれたことだと思っている。

それからしばらく経って、彼女の行動がよく分からなくなる時があるようになった。前は僕のことをちゃんと見てくれていたような気がするけど、最近は少しおかしい。今日だってそうだ。さっきまで僕のベッドで寝転んでいたはずなのに、いつの間にかどこかに行ってしまった。一体どこに行ってしまったんだろう? 探しに行こうかと思ったその時、彼女が帰ってきた。手にはマグカップを持っている。どうやらコーヒーを飲んできたらしい。彼女はそのコーヒーをテーブルに置き、そのまま座った。僕はその様子を眺めながら、あることに気付く。よく見ると、彼女は何かを抱えているようだった。なんだかモゾモゾ動いているように見える。なんだろう……あれ……。僕はゆっくりと立ち上がり、近づいていく。すると、彼女の腕の中から小さな手が見えた。僕はそれを覗き込むようにして見つめる。これは……猫の手だ! 間違いない! どうしてこんなところに!? 彼女はこの猫の手をどうするつもりなのだろうか? 僕は不思議に思いながらも、じっと待つことにした。すると、彼女はその猫の手に指を乗せ、まるで握手をしているかのように動かし始めた。その動きに合わせて、猫の手も動く。これは何を意味しているんだろうか? 僕は頭の中で必死に考える。すると、ある一つの結論に至った。これってまさか……握手なのか!? 確かに、よく考えたらそうだよね! 普通に手を差し出しただけじゃつまらないしね。それにしても、本当に可愛い子猫だなぁ~。触りたい衝動に駆られた僕は、そっと手を伸ばした。すると、彼女はピクリとしてこちらを見る。そして、すぐにまた視線を戻してしまった。えっ……ちょっと待ってよ……。僕が伸ばしかけた手を引っ込めると、今度は彼女が手を伸ばしてきた。そして、僕の手を掴むと強引に引っ張ってくる。僕はバランスを崩して倒れそうになったが、なんとか持ちこたえた。危なかった……。僕は体勢を整えて座り直す。すると、彼女は握っていた僕の手を離した。そして、再び猫の手を握る。これでいいんでしょ? と言いたげな顔をしながら。僕はそんな彼女を微笑ましく感じつつも、やっぱり恥ずかしかった。

結局その後、特に何も起こらず時間が過ぎていった。僕はそろそろ帰ろうと立ち上がる。すると、彼女が僕の服を掴んだ。そして、僕を見上げてくる。ああっ……もう可愛すぎるんだけど!! 僕は思わず抱きしめてしまった。すると、彼女は一瞬驚いた表情を見せたが、その後は大人しくしていた。僕はさらに強く抱きしめる。このままずっとこうしていたいと思った。でも、そういうわけにもいかない。名残惜しくはあったが、仕方なく離れた。

帰り際、僕は彼女にキスをした。唇を重ねるだけの軽いものだったけど、とても心地良かった。もっと深い口付けをしたいとも思ったが、我慢することにした。これ以上一緒にいると、抑えられなくなりそうだったからだ。

次の日、僕は学校に行く前に彼女の家に行った。インターホンを押したが反応がない。出かけているのかな? そう思って敷地の外に出ようとしたらガチャリという音が聞こえた。扉の向こうに人影が見える。彼女が出てきたようだ。僕は笑顔で挨拶をする。すると、なぜか彼女の様子がおかしかった。顔を真っ赤にして俯いている。どうしたんだろう? 体調が悪いのかもしれない。僕は心配になって声をかける。すると、彼女はハッとした様子になり、僕の目を見た。そして、慌てて家の中に戻ってしまう。いったいなんだよ……。僕は訳が分からず立ち尽くしていると、彼女が戻ってきた。さっきよりも更に赤い顔になっている。僕はとりあえず安心したが、彼女の態度はまだおかしいままだった。いっそのこと聞いてみようかと思い、声をかけようとする。しかし、それより先に彼女が手招きした。

僕は今、彼女の部屋に居る。彼女は僕の目の前に座っていた。なんだかさっきから落ち着かないみたいだ。チラチラとこっちを見ては目を逸らすということを繰り返している。僕はそんな彼女の様子を黙って見ていた。すると、ようやく覚悟を決めたのか彼女が話し始める。

「私はあなたに嘘をついていました。私には秘密があったんです。実は私、魔法使いなんです」

…………はい? 突然、何を言っているんだこの子は……。僕は唖然とする。正直、意味が分からなかった。彼女はそんな僕の様子を見て慌てる。そして、必死に説明し始めた。

「あの……だからですね、私は本当は人間じゃないんですよ! ほら、よく見て下さい!」

彼女は両手を広げて見せた。確かに、いつもとは違って普通の人間の手ではないように見える。指が長く、爪が鋭く尖っているのだ。確かに、これはちょっとおかしいかも……。僕は少し冷静になる。僕は改めて彼女の姿を眺めた。髪の色は茶色で肩までの長さがある。瞳は大きく、まつ毛が長い。鼻筋も通っていて、顔はとても整っている。スタイルもいいし、全体的に見ても美人と言えるだろう。彼女はそんな自分の容姿を気に入っていないらしく、普段は髪を下ろしているが、今は後ろでまとめていた。僕はじっくり観察してみることにする。まず、肌の色が違う。透き通っているような白い色をしているのだ。次に耳の形だ。これも他の人と違う気がした。あと、よく見ると尻尾のようなものもある。こんなもの今までなかった。先端は黒くなっていた。僕は正体を尋ねてみた。すると、彼女はしばらく考え込むようにした後、ゆっくりと話し出す。彼女は自分が人間ではなく、サキュバスだということを教えてくれた。

僕は驚きのあまり言葉が出てこなかった。まさか、信じられない……。でも、どうして僕にそのことを教えてくれる気になったのだろう。僕は質問をしてみた。すると、彼女はこう答える。

「あなたにだけは本当のことを言わなきゃいけないと思って……。だって、私はあなたのことが好きなんです! 好きだからこそ隠し事はしたくない! それに、これからも一緒に居たいと思っているし……」

彼女は恥ずかしくなったのか、途中から小声で喋っていた。

「そっか……ありがとう。僕も君のことは好きだよ。それに、君と一緒に過ごした時間は本当に楽しかった。きっと、こういう時間のことを幸せっていうんだと思う」

僕は素直に今の気持ちを伝えることにした。すると、彼女は嬉しそうな表情を見せる。そして、僕に向かって抱きついてきた。そのまま押し倒される形になってしまう。僕はなんとか体勢を整えようとしたが、うまくいかない。すると、彼女が唇を重ねてくる。最初は軽く触れるだけだったが、次第に深くなっていった。そして、お互いに舌を入れ合う。僕はその感覚に夢中になってしまった。しばらくして、どちらからともなく離れる。彼女は頬が上気していて、息遣いが荒くなっていた。そして、潤んだ目で僕を見つめてくる。僕も同じような状態になっていた。そんな僕達の様子に気付いた彼女は、僕の服を脱がせ始めた。僕は抵抗しようとしたが、力が入らない。されるがままに脱がされてしまった。彼女は僕の体に触れてくる。僕はくすぐったくて身を捩らせた。彼女は僕の反応を楽しむかのように弄り続ける。僕は段々おかしくなってきて、笑いながら体を震わせ続けた。そして、とうとう我慢できなくなった僕は彼女に襲いかかる。僕達はお互いを求め合い、何度も愛し合った。

次の日、僕は学校に行く前に彼女の家に寄ることにした。インターホンを押しても反応がない。まだ寝ているのだろうか? 僕はそっと扉を開ける。鍵はかかっていなかった。不用心だなと思いつつ、中に入る。玄関に彼女の靴はなかった。やっぱり出かけているようだ。まぁ、別にいいけどね。僕はそう思いながら奥へと進む。リビングに入ったところで、あるものを見つけた。テーブルの上に紙が置かれているのだ。僕は何だろうと疑問に思う。手に取って見てみると、それは手紙のようだった。内容は、急に出ていかなければならないことになったから、探さないで欲しいという内容のものだ。

僕は家を飛び出し、辺り一帯を探し回ったが彼女は見つからない。途方に暮れていると、携帯が鳴った。相手を見ると母さんだった。僕は彼女の家に行ったことを説明する。母は驚いた様子だったが、すぐに落ち着いていた。どうやら、彼女の親と連絡が取れたみたいだ。それで、事情を聞いてきたとのこと。僕はありのままを伝えた。すると、母は意外な答えを口にする。すぐに帰ってくると。

あれから数日後、彼女は無事に帰ってきた。ただ、その姿は以前とは変わってしまっていた。全身に包帯が巻かれていて、歩くのがやっとの状態らしい。なんでも、大怪我をした上に、記憶を失ってしまったそうだ。いったい何があったんだろう……。僕は心配になり、様子を見にいくことにする。

彼女の家は僕の家から近いところにあった。僕はインターホンを鳴らす。しかし、返事はない。僕は何度か鳴らした後、諦めて帰ろうとした時、扉が開く。中からは彼女の母親が出てきた。そして、僕の姿を見るなり驚いている。僕は頭を下げて挨拶をする。すると、彼女は恐縮しながら中へ招き入れてくれた。僕はお邪魔しますと言って中へ入る。そして、彼女の部屋へと向かった。僕は不安な気持ちで彼女に声をかける。すると、彼女はこちらを見て微笑んでくれた。そして、元気よく声を出してくれる。僕はほっとして胸を撫で下ろした。そんな僕の様子を彼女は不思議そうに見つめていた。

それから数日が経ったある日のこと、彼女が突然倒れてしまったのだ。僕は慌てて病院へ向かう。そこで聞いた話によると、脳に重大な損傷があり、このままだと命の危険があるということだ。僕はショックで目の前が真っ暗になる。彼女は助かるんだろうか……。僕には分からなかった。結局、彼女は亡くなってしまう。最期まで笑顔を絶やすことなく、優しい人だった。悲しみから抜け出せないでいる僕に彼女の母親から手紙を渡された。生前の彼女が僕宛に描いたものだった。

「私はもう長くありません。だから、最後に私からのお願いです。どうか幸せになって下さい」

僕は涙を流す。彼女の想いに応えるためにも、僕は生きていこうと思った。

僕は月命日に必ず彼女の墓参りをしていた。そんなある日、僕は彼女と初めて出会った場所で不思議なものを見つける。それは小さな箱のような物体だった。近づいてみると、中には指輪が入っている。どうしてこんなものがここに……。僕はとても気になったので開けてみることにした。すると、そこには一枚の写真が入っていた。そこには一人の男性が写っている。僕はこの人を知っているような気がした。でも、どうしても思い出すことができない。

しばらく考えているうちに、僕はあることに気付く。これはもしかすると彼女の遺品かもしれない。僕はその可能性に賭けてみることにする。もしかしたら、何か手がかりが残っているかもしれないからだ。僕は写真を手に取ると、その場を離れる。そして、急いで彼女の家へ向かった。僕は彼女の母親に事情を説明した。すると、彼女の母親は驚いた表情を見せる。この写真の男性は数年前に亡くなった彼女の夫だと教えてくれた。僕は思わず息を飲む。間違いない。あの時の男性だ! 僕はある記憶を思い出した。それは、彼女が僕に見せたいものがあると言っていたこと。僕に見せてくれたのは、彼女が描いた未来の僕たちの絵だった。その絵の男性はこの写真をモデルにしたんだ。

しばらくして、学校に帰る途中に見知らぬ女性に声をかけられた。彼女と同じような手と尻尾があった。

「君、ちょっといいかな?」

女性は僕の手を掴んでどこかに連れて行こうとする。僕は抵抗したが、振り解くことができなかった。そして、近くの公園に着く。彼女はベンチに座ると、僕にも隣に来るように言ってきた。僕は仕方なく従うことにする。すると、女性が話しかけてきた。

「君は最近、夢を見たことはないかい? 例えば、自分の知らないはずの記憶とか……」

僕はドキッとした。なぜなら、今まさに女性の言った通りの出来事を経験している最中なのだから。僕が何も答えられずにいると、女性は少し困った顔をしてこう口にする。

「実はね……君の身に危険が迫っているんだよ」

僕は驚いて言葉が出てこなかった。

「単刀直入に言うよ。君は狙われてるんだ。それも、かなり厄介な奴らにね。もし、また同じことがあったら、今度は逃げられないだろう。だから、注意してくれ。それと、亡くなった君の元恋人の話をしよう」

彼女はゆっくりと語り始めた。亡くなった僕の元恋人は魔法使いでサキュバスで、僕の遠い親戚に当たる存在らしい。そして、彼女は僕を護るために命をかけて戦ってくれたというのだ。僕は驚いていた。そんな話、信じられるはずがない。僕が落ち込んでいるのを見て、彼女は苦笑いを浮かべる。そして、再び口を開いた。彼女はとある人物から依頼されて、僕に近付いたのだという。なんでも、僕に魔法を教えるとのこと。僕は辞退したが、しつこく迫ってくるので結局引き受けることになった。彼女は本当に熱心に取り組んでくれた。おかげで僕の魔力はかなり向上している。彼女は僕が強くなるたびに嬉しそうな顔を見せていた。ただ、一つだけ問題があった。僕たちはお互いに惹かれ合ってしまったのだ。僕は彼女に恋心を抱くようになっていた。でも、それを隠していたつもりなのに、彼女にはバレていたようだ。そして、彼女も同じ気持ちだということが分かる。彼女は告白してくれた。僕は迷うことなく受け入れて、交際を始めることにした。

そして、僕たちは結婚した。幸せな日々が続くと思っていた矢先、悲劇が起きた。なんと、彼女が何者かに襲われたというのだ。彼女のもとへ行き戦うことになった。襲撃者は強かったけど、なんとか倒すことができた。うずくまる襲撃者に話を聞く。

「俺はインキュバスだ。お前はサキュバスと恋人だったから話は吞み込めるだろう。実はあの娘は、俺の依頼主によって洗脳されていたんだ。まぁ、詳しいことは後で話すさ……。とりあえず、伝えておくぞ。今回の件で分かったと思うが、俺たちの主は強大だ。絶対に勝てないだろう。でも、逃げるなら今のうちだぜ……」

僕はこの話が信じられなかった。きっと、嘘に違いないと思った。しかし、彼はそれ以上は何も言わずに消えてしまう。洗脳とはどういうことだ……?

しばらくして、今度は僕の方で事件が起きた。僕はその日を境に体調が悪くなり、寝込んでしまうことになる。さらに、不思議な夢を見るようになった。僕が殺されていく夢を……。しかも、その犯人はあの時の男だった。僕は必死に逃げようとする。だが、なぜか体が動かなかった。そして、無情にも僕は殺されてしまう。目を覚ますと、僕は涙を流していた。僕は怖くなって震えていた。

数日後、妻が妊娠したと僕に告げた。僕はとても喜んだ。まだ見ぬ我が子のためにも頑張ろうと決意する。それから数ヶ月経ったある日のこと、僕たちが住んでいる街で大きな爆発音が聞こえてきた。僕は急いで様子を見に行く。すると、街の人たちが慌てふためいていた。どうやら、この街に敵が現れたようだった。僕は急いで妻のいる病院へ向かう。そこで聞いた話では、妻はお腹の子と共に連れ去られてしまったということらしい。僕はショックを受けて、その場に座り込む。すると、一人の男性が声をかけてくれた。その人は僕にこう言ってきたのだ。

「君には辛いことを押し付けることになるかもしれないが、どうか力を貸してくれないか?」

僕は何の話か分からず戸惑っていた。男性は詳しく説明してくれる。その男は僕の元恋人である彼女の親戚だった。その人の話によると、彼女はインキュバスの能力により操られていたというのだ。そのインキュバスは今度は僕の妻を亡き者にしようとしているらしい。なぜ彼女がそのような目に遭わなければならなかったのか理解できないし、そのインキュバスの目的が何なのか想像もつかなかった。僕は怒りと悲しみを抑えることができずにいた。彼に言われるがままインキュバスのもとへ向かうことにした。

たどり着いた先は、僕たちが住んでいる家だった。中に入ると、そこにはたくさんの人が倒れていた。その中には僕の知り合いもいた。僕は彼らに駆け寄ると、一人ひとり起こしていく。彼らは皆意識を失っていた。僕は気付くと、ある部屋の前に立っていた。扉を開けると、中にはインキュバスが待っていた。僕は彼を睨む。すると、彼は不気味に微笑んだ。

僕はすぐに戦闘態勢に入るが、彼の圧倒的な強さに圧倒されてしまう。そして、僕は敗北した。僕は殺されるのを待つだけだった。しかし、いつまで経ってもその瞬間が訪れない。不思議に思っていると、突然部屋の床が開いた。僕は落ちていく。そして、どこかへ到着した。そこはどこかの洞窟の中だった。目の前には大きな魔法陣があり、その中に女性が立っている。彼女は僕を見ると、優しく手招きしてきた。僕が近づくと、女性は口を開く。

彼女は僕に言った。

「あなたは私に選ばれたのです。私の名はアリアと言います。私はあなたの願いを叶えましょう。なんでも仰ってください」

僕は悩んだ末にお願いをした。

「僕の元恋人を生き返らせることと、妻とおなかの子を助けることと、妻を襲ったインキュバスを殺してください」

「わかりました」

アリアが目をつぶって胸の前で手を組み、数秒後周囲が光で満ちた。そして、僕は自分の体に異変が起きるのを感じる。そして、目を開いた。僕の体は女性になっていたのだ。そして、同時に強い力が湧き上がってくるような感覚を覚える。僕は恐る恐る自分の体を触った。とても柔らかくて弾力のある肌をしている。まるで女性の体みたいだ……。さらに、僕は視線を下に向けると、そこには二つの膨らみがあった。僕は驚いていた。まさか、本当に女になってしまったというのか……? そんなことを考えているうちに、視界の端に何か動くものが見える。僕はそっちの方を見た。それはインキュバスの死体だった。僕は驚いた。すると、離れたところから懐かしい声が聞こえてくる。亡くなった元恋人だった。僕は思わず駆け寄って彼女と抱き合った。

彼女は嬉しそうに笑みを浮かべながら僕に話しかけてくれる。君は今幸せですか、と……。僕は即答した。もちろんだと……。すると、彼女は涙を流した。よかったですと言って……。

その後、妻は無事出産し、女性になった僕と元恋人との4人の共同生活が始まった。インキュバスに破壊された街の復興で忙しい。あの男性の安否は不明だ。今は幸せな生活を送れていることに感謝している。

僕は今、小説を書いている。タイトルは未定だ。小説の内容はこうだ。とある国の王城で魔法使いが二人暮らしている。二人は恋に落ちて結婚した。二人が結婚してから数年後、インキュバスの襲撃によって二人の住む街が破壊されてしまう。しかし、その事件をきっかけに二人は愛を深めていき、やがて夫婦となった。そして、新たな国を作っていくことになる……。僕は執筆を終え、パソコンを閉じるとベッドに横になる。疲れていたのでそのまま眠ってしまった。

目が覚めると、僕はなぜか森の中にいた。ここはどこだろう? 周りを見渡すと、見覚えのない景色が広がっている。しばらく歩いていると、森を抜けて広い草原に出た。そこには一軒の小さな家が建っていた。家の前には看板が立てられており、そこに書かれている文字を読むと、僕は絶句した。そこにはこう書かれていたからだ。

――この家に住んでいる人は全員インキュバスの被害者である。

僕は衝撃を受けた。どうしてこんなことになっているんだろう。もしかすると、僕の書いた小説の内容が原因かもしれない。僕は急いで家に近づきドアをノックする。しかし、返事はない。僕は思い切って扉を開ける。中に入ると、テーブルの上に手紙が置かれていた。僕はそれを拾うと、中身を確認する。どうやらこれは誰かが僕に宛てて書いたもののようだ。その手紙にはこう書かれてあった。

「愛する人へ。あなたは私のことを恨んでいるでしょうね。でも、安心して。あなたは何も悪くないわ。全て私が仕組んだことなの。私はインキュバスの能力により操られていたのよ。そして、ある人に殺されそうになったわ。でも、その人は私のために命を投げ出して助けてくれた。おかげでこうして生きているの。だから、感謝してもしきれないくらい彼には恩があるわ。彼は私と別れてからもずっと一人で苦しんでいたようだった。そして、インキュバスに復讐しようと決心していたの。それが今回のきっかけだったみたい。インキュバスの目的は人間の女性を妊娠させてインキュバスを産ませることだったの。つまり、彼の目的はインキュバスによる人間の女性の減少を止めることだったというわけ。彼がインキュバスと戦っている間に、私たちはインキュバスの本拠地を突き止めたの。そこで私たちも戦いに加わったというわけ。結局倒すことはできなかったけど、彼のおかげで何とか撃退することができたわ。彼のおかげもあって、被害に遭った女性たちも皆元の生活に戻ることができた。もちろん私もよ。本当にありがとうございます。心の底から彼に感謝しています。そして、最後に一つだけお願いを聞いてくれませんか。あなたはこれから小説家になるという夢に向かって頑張るんでしょう? 私はあなたに幸せになってもらいたいの。だから、私の代わりにあなたが幸せになってください。私はあなたが大好きでした。」

僕は手紙の内容がまるで理解できないでいた。夢の中だからこんな支離滅裂な文章を読んでいるんだ。そう思って家を出ると、僕は現実へと引き戻された。朝になっていた。僕は慌てて仕事に向かう。

会社に着くなり上司に呼ばれた。出版社の人が僕に会いたいらしい。僕はその人と顔を合わせると、こう言われた。

「単刀直入に言います。是非ともあなたの作品を書籍化しましょう」

僕は驚く。一体何が起きたのだろうか……。僕は困惑しながらも、なんとか冷静さを保ちつつ質問をした。なぜ急にそんな話になったのですか、と……。すると、その編集者さんは言った。

「あなたの作品は、魔法使いとかインキュバスとか、ファンタジーな要素がありますがどこか現実感のある描写があり、そこが新鮮です。また、主人公に感情移入しやすい内容となっています。おそらく読者の心を掴むことができるはずです。内容が少し重いですが、人気が出るかもしれません。なので、是非出版してください。もし、嫌だというなら残念ですが諦めるしかないですね……」

僕は悩んだ末に承諾した。半年後、僕は本を完成させた。タイトルは、『魔法使インキュバス』だ。家族と友人、出版社の人たちが集まって出版記念パーティーを開催した。

それから一年後、僕はまた、小説を書いている。今作の内容はこうだ。サキュバスが主人公の少年と恋に落ちてしまう。インキュバスは女性に子供を産ませようと企むが、主人公はそれを阻止する。その後、二人は結ばれて夫婦となる。二人は幸せな生活を送るが、ある日悲劇が起きる……。実はこの作品を書いたきっかけは、妻だった。僕が寝ているときに彼女はこっそりと僕のノートを開いてこう書き込んでいたのだ。

「愛する人へ。あなたは今幸せな生活を送っているかしら。私は今、とても幸せな日々を過ごしています。あの時、あの場所で出会えたのは運命だったのかもしれないわね。あの日、あなたに出会わなかったら、きっと今の私はいないわ。あの時は本当にごめんなさい。あの時のことは一生忘れないわ……。あなたのおかげで私は今とても幸せです。あの日のこと、ずっと感謝しているわ。そして、これからもよろしくね。私はいつまでもあなたを愛しています。」

どういう意味? と思ったが僕は聞かないことにしたのだった。

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