第3話ツアーコンダクター
「お、おはようございます」軽く会釈をしボクは挨拶を返した
根木は軽く微笑んで受付へ招き入れてくれた
白を基調とした清潔感のある室内はアロマの爽やかな香りに包まれていた
楕円形の木材のカウンターその横に丸テーブルと二人掛けのソファー
が二脚並んでいる
「道混んでませんでした?お車ですか?」と言いながら
根木はソファーの方へ座るよう促してくれた
「車です日曜日のこの時間なんで道は空いていました」とボク
「それは良かったです あっ」と急にかしこまり
「申し遅れました当カウンセリングルームのアシスタント兼事務局の
根木と申します」と髪で顔が隠れるほど深々と頭を下げた
ボクもつられて慌ててソファーから立ち上がり深々と頭を下げた
お互いソファーに座り直した後ボクはカウンセリングについての話をした
時間・費用・効果など一通り話終えた後少し不安そうな僕を見て根木が
「旅行はお好きですか?」と尋ねてきた
突然何を言い出したのか少し戸惑いながらも
「はい」と短く返事を返したすると根木は
「私も大好きです ちょっと思い出してみてください
旅行に行く時最初になにをしますか?」
ボクは「目的地を決めることかな」と答えた
根木が頷き少し楽しそうに
「そうですよね 目的地が決まらないとはじまらないんです
旅行もカウンセリングも目的地をまず決めるここまでは同じなんです
旅行の場合目的地が決まったらそこまでの移動手段やホテルの予約
観光地やご当地グルメお土産まで色々調べますよね」
ボクは軽く相槌を打った
「ですがカウンセリングの場合目的地つまり問題解決のプロセスが
方法がわからないご自身で色々調べても限界がある
そこをお手伝いするのが私たちカウンセラーのカウンセリングになります
心のツアーコンダクターみたいなものです」
殻の椅子 羊毛フェルト @corat
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。殻の椅子の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
強くなれないそんな日は/羊毛フェルト
★6 エッセイ・ノンフィクション 連載中 10話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます