かっこいい彼女

黄昏 光

第1話 ギャップ萌え

私には、好きな人がいる。

名前は杉本 まりか

高校生になって初めてできた友達だ。

彼女、普段はおとなしい性格で清楚なイメージがあるけど、本当の彼女は、威勢が良くて結構攻めるタイプなんだ。


この前だって、私が教室でいじめっ子達にいじめられてたときに、周りが見て見ぬふりをしている中、まりかは助けに来てくれた。

そして、まりかはいじめっ子のリーダーの頬をひっぱたいた。

「あんた達、あたしの友人になにしてくれてんの? 次やったら……一人ずつセーラー服引き裂くわよ!!」

普段のイメージしか知らなかったクラスメイト達は、まりかの予想外の行動にただ茫然としてるだけだった。

いじめっ子達はすぐさま退散したけど、後に先生達にお世話になった。

「大丈夫? またあいつらに何かされたら、すぐに言ってね。苗美」

「あ……ありがとう!」

きっとこの時なんだろうな。

まりかのことが本気で好きになったのは。

おとなしいけど、威勢があって、かっこいい。

そのギャップに、私は惚れたんだ。

そして今日、私はその思いを彼女に伝える。



放課後、私はまりかと一緒に公園で遊んでいた。

「あのさ、まりか」

「んー? どうしたの」

「この前のこと、ほんとにありがとう」

「あー、いいってことよ。あたしたち友人なんだし。助け合って当然よ」

「へへっ……ねぇ、まりか」

「どうしたの苗美。なんかさっきから様子が変じゃない?顔真っ赤になってるし」

あぁ、やばい。

いざ言うってなると、緊張するなぁ……。

まりか。

杉本 まりか。

私は……。

「好きだなぁー!」

「えっ」

「あっ」

しまった。

ついとっさの勢いで言ってしまった。

どうしよう……、心の準備がまだできてないのに……。

さっきのでまりかが顔真っ赤にしてるし……。

あぁ、やっぱり、まだ今度にしよう。

「いや、なんでもな――」

「ぷっ、あははははは!!」

「……なんで笑ってるの?」

「いやぁー……。両想いだったなんてこれは傑作だな!」

「ほえ?」

両想い……?

「あたしも、苗美のこと、好きだなぁー!」

ははっ、こんなことってあるんだ。

好きだった人が、私のことを好きだと思っていたこと。

「苗美、あんたと初めて会った時のこと、覚えてる?」

「えっとー、自己紹介の時だよね?」

「うん。その時、偶然あんたと目が合ってさ。可愛いなって思ったんだ。でもあんたは、ただ可愛いだけじゃない。あたしと違って、優しいし、人望もあるし、なにより

純潔な心を持ってる。そんな苗美に、あたしは惚れたんだ」

「堂々と気持ちを伝えれるまりかもすごいなぁ」

「ふふっ、じゃあこれから、友人としてじゃなく、恋人同士として、これからもよろしくね」

「うん! よろしくお願いします!」

こうして私たちは、恋人として付き合うことになった。

ほんと、人生何が起こるかわかんないなぁ。



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