『ショートショート短編集3』
石燕の筆(影絵草子)
第1話
『薬の注意書』
長年の研究によりF博士はついに待望の薬を完成させた。
それは飲めばたちまち人間の寿命を300年は延ばすという画期的な薬だ。
早速薬の効力を試すためチンパンジーを連れてきた。
「さあチンパンジーくんこの薬を飲みたまえ」
チンパンジーは受け取った薬を飲んだ。
そのとたんチンパンジーは跡形もなく消えてしまった。
これはどうしたことかと博士はチンパンジーのデータをモニターに映す。
するとチンパンジーは驚いたことにちょうど300才だった。
300才のチンパンジーに300年寿命を延ばす薬を与えたために薬が逆に働いてしまったらしい。
いろいろ改良を施してようやく発売された薬には注意書があり
「300才の方は飲まないでください。用法用量を守り正しく服用してください」
と書かれていた。
その注意書を見た人たちは皆、変な注意書に首をかしげた。
『箱の中』
男は大金と引き換えにある荷物をあずかる。荷物は大きな箱。だが、条件があって荷物を絶対に開けてはならないと約束させられる。しかし男は我慢ができず開けてしまう。箱を開けると中にはまた箱があり、その箱を開けるとまた箱がある。 箱は開けるたびに小さくなり、最後の箱を開けると自分そっくりの小さな人間がいる。するといきなり屋根が開いて、自分が上から覗きこんでいる。
そして自分そっくりの小さな人間に手を伸ばすと上から覗き込んでいる大きな自分が自分に向かって今まさに手を伸ばすところだった。
『仮病』
ある男が会社に行きたくなくて仮病を使った。心配した男の母親は男に医者に診てもらうように言った。仮病なのにと医者に診てもらうと医者はペポラ病という最近発見された新種の病気の病だと聞かされる。男は信じなかったが、ペポラ病の患者は末期になると周りの人間の言葉の語尾に必ずペポと聞こえてしまうと言われた。医者の言うように母親や父親友人までもすべての人間がペポと語尾につけて話して聞こえる。もう終わりだと思った頃、新薬が開発されたと医者は言って新薬を男に投与した。すると周りの人間は語尾にペポとつけて話しているように聞こえなくなり、病気が完治したと思った男は人が変わったように真面目に働くようになった。
久々に会社に行く男を見送る母親はポケットから新薬と言われた薬を取り出し口に運んだ。 母親は一言、「甘い」とつぶやいた。
『神』
神を信じない男と神を信じる男がいた。 神を信じない男は神がいるなら見せてみろと言った。では神にあなたに天罰を与えるようにとお願いすると言われた。その日から神を信じない男に良くないことばかり起きる。 さすがに参った男は
は神を信じる男に神にもう天罰を与えるのはやめてくれと言うと神を信じる男はこう言った。 「それは無理だよ、だってあなたにとっての神様はこの世にはいないからね」
『ショートショート短編集3』 石燕の筆(影絵草子) @masingan
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