第4話 同居

俺は階段をのぼり屋上にでた

そこにはゆずはさんが雨に濡れながら柵にもたれかかって座っていた

俺は最悪の事態にはなっていない事に安堵しつつなんて声をかけたらいいか悩んだ


「ゆずはさん、何してるの?濡れるよ」

「ん?いいの、ただ雨にあたりたいだけ」


ゆずはさんはさっきまで泣いていたのか目が赤い


「ごめん、さっきまでの事見ていたんだ、イジメられているところ」

「え?」


言ってしまった、言ってよかったのだろうか

そのままシーンとしたまま時間が流れ

どうしよか悩んでいたとき

ゆずはさんは静かに話し始めた


「全部、私が悪いの、やめてと言えない、先生に言う勇気もない、だから気にしないで」


ゆずはさんは作り笑いをしながら、心の中で自分を責めている

おかしな話だ、真っ当に生きてきた人間が

自分を責めて泣いている

イジメる人たちは、気にもせず遊んでる

俺は思い出しただけで怒りが抑えられない、それと同時に後悔で死にたくなる

絶対にイジメを終わらせてやる、俺ではなく彼女自身が


「ゆずはさん、作り笑いはするなよ、悪いのはあいつらだ、自分を責めるな」

「なんでよ!いままで我慢してきたんだからそんな事言わないでよ!まだ少ししかこの学校に居ないのに!何も知らないくせに、」


ゆずはさんは声を上げて泣き始めた


「我慢をするな、相手にその不満をぶつけろ」

「そうしたら、他の人がイジメられるそれを見るのはもっとイヤなの」


彼女は優しいすぎる、優しすぎるがゆえに損をする


「ならば、人に言え、先生が言いづらかったら親に、親に言いずらかったら友達に」

「こっちの事情も知らないでそんな事言わないで!」

「なら、俺が聞く、その事情とやらを聞いてやる。だからもう我慢をするな」

「だって・・・


彼女は泣いた今まで泣かなかった分子供のように泣いた、そして溜まっていた不満を全て俺に吐き出した。

その話を聞き俺は怒りが収まらない


彼女は先生にも親にも相談したらしい

先生は自分のクラスにイジメはないと言い

親にはガン無視されたらしい


「親は、私には興味がない、仕事でのストレスのはけぐちにしてるだけ」


そうして彼女は俺にお腹と背中を見せた

そこには黒くて大きなあざができていた。普段から虐待を受けていたのだろう


「私は、今日死ぬつもりだった家には帰りたくないし、自分が死ねばイジメがあかるみになる」


彼女は家でも学校でもずっと悩んで我慢してきたんだろう

彼女は自分がイジメられたくないからと言う理由で死のうとしてない、他の人のために自分を犠牲にしようとしている

優しいすぎる


「わかった、イジメはなんとかする」

「うん」


問題は家ださすがに家まで俺は行けない

ゆずはさんは雨で震えている

5月とはいえまだ寒い

まず今日は俺の家に泊まらせよう


「じゃ、俺の家にすまないか?」


おっと「一旦」を付け忘れた


「いいの?」

「あ、あぁずっと気がすむまでいればいい」


やべっ!どうしよ、言ってしまった


「じゃあ・・・お願いします」


そうして、学校を出て俺の家に行く










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電車で助けてもらった女の子家でも学校でも居場所がないらしい、そうだ!俺と暮らそう @yorusatokaku

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