wings story

鳳香(おうか)

第1話 父を探しに

「はぁ、はぁ、足速すぎるだろ、あのトカゲ!」

「なーにしてるのよつばさ」

「それにトカゲじゃなくてリザードよ!食べれなくなるからやめて!」

「すみれ!」

「まったく、魔法はこう使うのよ!”フレア”!!!」


グアアアアアアアア!!!!!ドスーーーン


「よし!やったぜ!」

「おめーはなんもしてねーだろ!」

「あんたもね、たくみ」

「ぐっ、」

「にしし!」

「「にやつくな!」」





「ちゅんちゅん」


バサバサッ


小鳥のさえずりとともに俺は目が覚めた。

「ふぁ~夢か??」

カーテンの隙間から日差しが差し込んでくる。

「うん!今日も快晴だな!」


「つばさー!今日から新学期でしょー!早くしないと遅刻するわよー!」

一階から母の声がする。

「今行くよー」


「よし!これでいいかなー」

制服に着替え一階へ降りる。


「おはよー母ちゃん」

「おはよ!つばさ!制服もピッタリね!」

「ありがと!」

「さっ!ご飯食べて!もう時間ないわよ!」

学校までうちから走っても20分分はかかる。

学校は8時50分に始まる。今の時刻は8時30分だ。

「!?!?!?」

俺はすかさずご飯をかきこむ。

「いっへひまふ!!」

「食べながらしゃべらない!あとお父さんにもはいってきます言わないの?」

「忘れてた!」


チーン


「父ちゃん!いってきます!!」


ガチャ


「いってらっしゃーい!」



「あ!つばさ!おはよ!珍しく早いわね?」

「ん?すみれか!遅刻するぞー!」


ピューーーーン


「何言ってるの?だって今......」


校門

「はぁ、はぁ、ギリギリ間に合ったか..........」

「お!つばさ!朝からランニングか?ははは!いい心がけだな!にしても随分早く登校したな??」

「ほえ??だって今........」

「今7時50分だぞ?」

「え」

「え」

「一時間見間違えたああああああああ!!!!」


一方そのころ母は

「あらこの時計一時間ずれてるわ、まぁいいわよね?」


体育館にて


「校長先生、お願いします。」

「今日から新学期です。一年生は二年生に、二年生は三年生に、これから新しい生活が..........................」


「ふぁ~、やっと終わったー」

「つーばーさ!」

「お、たくまじゃねーか!」

「校長の話相変わらずなげぇよな」

「ほんとよね、薄っぺらい内容で眠くなるわ」

「「すみれ!」」

「何よ、ここにいたら迷惑なの?」

「ち、ちげーよ!!急に来たからびっくりしたんだよ」

「ふん」


「さーて誰と同じクラスかなー」

「「「A組だ!」」」

「「「え」」」

「またみんな同じかよ!」

「こっちのセリフよ!!まったくなんでわたしがこんなやつらと!」

「俺はすみれとたくみとまた一緒でうれしいぞ???」

「「.........。」」

「ま、まぁ一緒になっちゃったならしかたないわね」

「そ、そうだな、お前らがどうしてもって言うならつるんでやるよ」

「にしし!」

「「にやつくな!!」」


キーンコーンカーンコーン


「明日から授業あるからなーとくにつばさ!寝るなよー」

「へーいへい」


「じゃあなーたくみ」

「おーうお前らもなー」

「俺らも帰ろうぜすみれ」

「え、えぇ帰りましょ」

「?」


どうしましょ、つばさと二人きり!!

と、とにかく会話しなきゃ!

「ね、ねぇ」

「んー?」

「よ、呼んだだけよ!」バシィ!

「なんで~!泣」

「ふん!また明日ね!!」

「お、おーう」


ヒリヒリする


「まったくなんなんだよ」


ガチャ


「ただいまー」

「おかえりー!どうだった?クラスは?」

「たくみとすみれも一緒だったぜ!」

「あんたたちはほんといつも一緒よねぇ」

「まぁなー」


チーン


「父ちゃんただいま」

「お父さんが帰ってこなくなって一か月ね...どこでなにしてるんだか........」


うちの父ちゃんはある日急に行方不明になった。

雨の日に傘を残してそのままどこかへ............


「どこへ行っちまったんだよ..........」


次の日


「ふぁ~今日は曇ってんな~」


「おはよー母ちゃん」

「おはよー今日はちゃんと時計直しといたからね!」

「ほんと頼むぜ~」

「はいはい、はい!これお弁当!ご飯食べて早く行きな~」

「ん!ありがと!じゃあいっただきまーす」


「ごちそうさま!行ってくるわ!父ちゃんも行ってきます!」

「いってらっしゃーい!」


「あら、つばさじゃないおはよ」

「げっ、すみれ」

「げってなによ」


ギロッ


「ひぃぃぃ!わりぃわりぃ!!」

「ふん!」


授業にて


「つまり、ここの数字がここにきてこれと掛け算をすることによってこうなるんだ」

「スピー、スピー」

「おい、つばさ」

「スピー、スピー」

「コラーーー!!!起きろつばさ!!」


パチン


「ふえ、飯か??」

「そーそー今からお昼だぞーってなにが飯だ!!まだ一限だぞ!!寝るでない!!」

「なんだよ飯じゃねーのかよー」

「スピー、スピー」


「コラーーーーー!!!!」


キーンコーンカーンコーン


昼休み


「やっと昼だーーーー」

「あんた寝てるだけじゃない」

「まぁな!」

「まぁなじゃないわよ!また先生に怒られても知らないわよ!?」

「つばさまた北村の野郎にどやされてたな!」

「ほんと飯じゃないなら起こさないでほしいぜ」

「珍しく早いと思ったら、やっぱりつばさはつばさね」

「なんだよーすみれーその言い方ないだろー!」

「いいから二人とも飯食おーぜ」


「そういえば二人とも知ってるか?」

「なによまた都市伝説??」

「またたくみのオカルトかー」

「今回はスゲーんだよ!!」

「なによそのすげーやつは」

「おー!聞いてくれるかすみれ!!実はな....最近よくテレビでよく行方不明者が増えているって言ってるだろ?」

「......」

「たくみ、あんまりその話は......」

「まぁ聞けって、この行方不明者達実は、共通点があるんだ」

「共通点?」

「あぁ、それは........」


ゴクッ


「嵐のような暴風雨が来るんだ」

「ぶわっはっはっはっは!!!」

「全く呆れた」

「違う!最後まで聞けって!」

「その暴風雨は数秒で消え去るらしいんだ」

「はいはい、今日も天気悪いからもしかして誰か行方不明になるかもね?」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ


突然天気が悪化した


「「「えっ」」」


ザァァァァァ

ゴロゴロ......ピシャーン!!!


「な、なんだよ!!この風と雨!!」

「みんな!校舎に入るのよ!!」

「お、おい、つばさ、すみれ」

「なんだよ!たくみ!早くいくぞ!」

「あれ、なんなんだ.......?」

「は??」

「なによあれっt.................」


その時目にしたものは一生忘れない、いや忘れられないだろう

空を覆うようにでかく、金色に輝く龍


「うそ、でしょ......?」

「あ、ありえねぇ」

「み、みんな!とにかく中に!!」


ギロッ


「ひぃ!」

「こ、こっち見てるの?」

「ね、ねぇ、こっち来てない....?」

「く、喰われる.......」


そこからの記憶はない、だがしかし喰われたのは間違いないだろう。

喰われてからどれだけが経っただろうか。ここはどこだ。何も見えない。


「.......さ...........ばさ................つばさよ.......」


お前は..........あの時の龍.................


「父を見つけたいか。」


当たり前だ。


「では、行くがよい。この世界にお前の父がいる」


お前は、なんなんだ。


「我は、つばさの力。氷龍 アイス・バーム」


アイス・バーム............


「行くがよい。つばさ。この世界で生き延びてみろ。」




「.......!.............さ!................つばさ!!」


「ハッ!!ここは.......?」

「つばさーー!!!!」

「うぉ!!急に抱き着くなよ!」

「馬鹿野郎......心配かけやがって......!!」

「たくみ.....すみれ........」

「よかった、ほんとによかった......」

「心配かけたな。すまねぇ。」


周りを見渡すと明らかに学校ではなかった。


「な、なぁここって」

「あぁ、どう見ても学校ではないな」

「ぐすっ、たぶん異世界........でしょうね。」

「ここに父ちゃんがいるのか...........ボソッ」

「ん?なんか言ったかつばさ?」

「いーやなんでもねぇ!それよりさ!ここ異世界だろ!?探検しようぜ!」

「まったく、ガキじゃあるめーし」

「そうよ!」

「探検じゃなくて冒険だろ!」

「そうよそうっ.............ってそこなの!?」

「にしし!」

「「にやつくな!」」


待ってろよ父ちゃん!必ず見つけるからな!!








???「へっくし!」

???「お前がくしゃみとは珍しいな。風邪か?」

???「いやそうじゃねぇ気にするな」

???「そうか。ならば行くぞ。次の街は西だ。」

???「まだ壊すのかい」

???「壊すんじゃない。浄化だ。」

???「へいへい」


???「今の気配..........まさかな。」

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