第024話
「斥候役で先頭を任されていた俺が楽勝な戦闘にめっちゃ余裕だな!ってケイマが言っていた油断するなを忘れるくらい、気を緩みまくっていたから、トオル、それからイマガワさんも皆も、ごめん。」
「僕も同じだから、タケヒサが謝ることじゃないよ。」
「そ、そうです。私も浮かれてたから……」
「それは先生も同じです。でもあれはスガワラ君が攻撃を受けた後もいけなかったわ。前方に敵!戦闘態勢!と先生が冷静に指示を出さなきゃいけなかったのよ。」
オオイシダ タケヒサに肩に矢を受けたスガワラ トオル、矢を頭に食らうところだったイマガワ カナ、先生コヤナギ チエや他生徒達もオオイシダと同じだと。
「それを言うなら、先頭にいたパーティーリーダーの私が指示出さなければいけませんでした……」
オオイシダのパーティーリーダー、オカダ ショウコが悔し気に言った。
「……私達は戦闘経験が足りてない。」
三人にヨコタ チカは経験不足だから仕方がないと言った。
「それもあるが……」「それもあるかもしれませんが……」
「浮かれていたのもあったけど、私達が遠距離攻撃を、魔法を使うのに、相手も使うかもしれないということを想定もしてなかった。」
「たしかに……」
「その通りだわ……」
「三層から武器持ちが現れたことも考えたら、予想できてもおかしくなかった。あともっと慎重に進むべきだった。」
「「「そうだったな(そうだったね)。」」」
「テンプレでござるのに……」
階層を進む毎に数が増えたり、敵の種類が増えたり、武器持ちや魔法使いが増えたりするのはゲームや物語ではテンプレだというのに、それが頭になかったのかとアサイ アツシは知識があっても活かせなきゃただのぽっちゃりオタクでござるとへこむ。
「五層は魔法を使うゴブリンが構成されているかもでござる。」
「四層からかもしれないわよ?一戦しかしていないからわからないわよ?」
「そう、でござるな。」
アサイの言葉にキシ アイコが四層からかもと決めつけては駄目だと言った。
「盾持ち一人ないし二人が前ですぐ後ろに斥候、その後ろに遊撃、遠距離の1122か2112みたいなフォーメーションで良いんじゃないか?」
「編成、途中からばらばらだったもんね……」
「ライアさん、役割とか色々教えてくれたのに、ね……」
「タダシの言った編成で良いじゃない?」
先生と生徒達はああすればこうすればと話し合いをしていた。
ケイマが脱落するかもと予想していたスガワラとイマガワは始めの会話以降、声は出さず話は聞いていた。
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三度目の異世界召喚。召喚した国の為になることは絶対しない。 山宗猫史 @kiratokuro
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