なぜ? 知らない。わからない、けど

少し変わった服装をした少年。
誰から見て変わっていたのか。少年は何から少女を守ったのか。まだこの世界に生まれていない少年は、どこにいるのか。何を迷っていたのか。
答えの見つからない謎、逆に言えば真実なんてどうでもいい不思議をちりばめることで、答えのいらない物語に仕上がっている。「マジシャン」=「不思議」のイメージも使い、不思議でありながら二度口にした「生まれるよ」という痛みを伴うであろう決意に、理由のない勇気をもらえる。何でも明瞭に書けばいいというわけではないという手本。

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