第18話 真 実〜転校先は不良(ヤンキー)校!?
その後だ。
再び着信が入る。
勇真君からだ。
「…勇真君…」
私は足を止め一旦、深呼吸をし出る事にした。
「…もしもし」
「あっ!良かったーー。大丈夫か?」
「えっ?」
「優人から、ちょっと色々と聞いてん。心配して連絡したんやけど…」
「………………」
「…そう…大丈夫やし!じゃっ!」
「ちょっと!待てや!」
「何よ!?」
「…ちょっと会われへん?」
ドキン…
「…えっ…?」
「まだ帰ってへんのやろ?」
「…それは…」
「今、何処にいてるん?」
その時だ。
「あっ!いたいた」
《えっ…?》
さっきの奴等に追い付かれた。
「ゴメンっ!!また」
私は逃げようとした。
グイッと掴まれる。
「や、やだ!離してっ!」
「こんな可愛い子離すわけないじゃん!」
「そうそう」
「……………」
《どうしよう…》
「希美ちゃん?」
誰かが私の名前を呼んだ。
振り返る視線の先には
《ゴリラさん…!》
「何だ?お前。この女の知り合い?」
「そうだけど?」
「ちょっとさー、話しつけてよ」
「話?何の?」
「俺達と付き合ってって」
「俺が?無理、無理!」
「何だと?」
「俺もまだ付き合えないし」
「そりゃそうだろ?お前みたいな奴、相手しねーだろ?」
「ゴリラ顔だし」
「ハハハ…」
「ゴリラ、ゴリラってうるせーな!友達や仲の良い奴等に言われるのは、ともかく!お前らみたいな初対面の奴等に言われたらマジムカつくんだよ!!」
「あ?やんのか!?」
「まさかっ!お前らとやり合う気更々ないっ!」
スッ
私の前に来ると彼等から隠すようにした。
「逃げて」
「えっ?」
「早く!」
私は後退りしながら逃げる事にした。
ゴリラさんの体が私の体を隠せる程の体格の良さで免れた。
「ありがとう…」
私はゴリラさんの背中に向かってお礼を言った。
「やり合う気ねーなら、彼女を大人しく渡しな!」
「渡したら俺がボコボコにされる」
「南波 了に?」
「いやいや、3人の誰かだろう?」
「南波 了も、3人の誰かも、彼女の連れは、ほとんど知り合いだ!大体、彼女に、どうして、そこまで拘(こだわ)る?彼女は何の関係もないはずだけど!?」
「誰かの彼女だろ?」
「もしくはSFとか?」
「あれだけ可愛いし、そりゃ、テンションも……」
二人の胸倉を掴み引き上げる。
「わわわ……」
「よ、よ、よせっ!」
「彼女は、純粋な女の子だ!変な目で見るのはよせ!!二度と彼女に近付くなっ!もちろん、その連れにもな!」
ゴンッ
二人の頭をぶつけあい気絶させた。
「………………」
「全く!!フンッ!」
たまたま振り返り、その状況に、違う意味で強い事に驚いてしまった。
そんな私は逃れ無事に帰宅し家の前に人影がある事に気付く。
「………………」
「…おかえり」
ドキン
「…勇…真…?」
私は無意識に呼び捨てにした。
「ヤバイ状況の電話の切れ方やったから、メッチャ心配したやん!」
「…えっ…?」
「気付いたら…ここに来てもうた…」
《嘘…?つーか…反則だよ…》
恥ずかしいような照れくさそうに言う無意識に来ていた宣言。
可愛いと思ってしまった。
「街出て、すれ違うのも嫌やったし…だからって…ここに戻って来るんかな〜って……悪い方向ばっか考えてん…」
「……ごめん…でも、ほら、こうして無事に帰って来たから大丈…夫…」
グイッと抱き寄せられた。
ドキーン
「…勇…真…?」
「もう!これ以上、寿命縮ませんなや!」
「…勇真…ていうか…逆ギレ?」
「逆ギレしたくもなるわ!」
抱き寄せた体を離すと向き合う私達。
「…希美…」
ドキン…
《呼び捨て…された…》
「な、何?」
「俺以外の男といんの嫌やから、俺の傍にいろや!」
ドキン
「…勇…真…」
「話すな!とか言わへん!…せやけど……俺から離れんといてっ!!お前が好きや!」
ドキッ
「…勇…っ!」
キスをされた。
「……!!!」
驚く中、私も瞳を閉じた。
唇が離れ―――
「俺と付きおうて欲しい」
「…私…嫉妬してた…私も…勇真…が……好き…」
そして、彼女の事を聞いた。
仲間の先輩のH相手だったと………
私を傷付けられたくないなら協力しろと言われていたらしく女の人をナンパをしていくという……
結局、そういう人達なんだと改めて感じた瞬間だった。
次の日。
二人で仲良くしていると、
「やっと仲直りした!」
「何か幸せ度マックスなんだけど〜」
「そういう関係になったわけだ」
「そういう関係って、どういう関係やねん!」
「そういう関係っつったら、そういう関係だろう?」
二人は相変わらず騒ぎながら学校へと向かう。
「良かったね。希美ちゃん」
「あ、うん…」
「何かあったら色々と相談のるから」
「ありがとう。優人君」
〜 E ND 〜
転校先は不良(ヤンキー)校!?①〜木戸 勇真 編〜 ハル @haru4649
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます