第3話
幼なじみ 距離感これが最近私がよく検索するワードである。
幼なじみって友達より他人じゃなくて親友とは違う距離感みたいな感じだって思ってる。
今その幼なじみが幼なじみを辞めようと親友以上の関係男女の関係まぁ・・・恋人になりたいと言ってる訳ですよ。
ハッハッハ!冗談はよせよと笑っていたが、本気で私に対して好意を持っているらしい。
今そいつと出かけているんだけども。
「どこに行くの?」
「ノープランってのも良い出会いありそうで良いと思わない?」
「帰っていい?」
「まぁまぁそう言わずにさ」
私が帰るのを阻止するかのようにこいつは手を握る。
「・・・恋人でもないのに手繋いで勘違いされたらどうするの」
「俺は勘違いされても良いよ?」
「私は困るんですけど?!」
「俺は困らないから」
「話聞けよ!」
そんな感じで何となく道を歩いていく私たち目的がないから何をしているか全く分からない。
「本当に何するか決めて無いんだ?」
「そうだよ」
「帰りたいです」
「ダメです」
絶対手を離さない。
強く握って離さない。
「あの…私たちコイビトじゃないですよ」
こういうのはそういう関係になってからじゃないのでしょうか?
「なる予定だから気にするなよ」
「お前は本当に強気だなぁ!」
握られてる方の手をブンブンするが全く離れないし相手は余裕そうな顔をする。
「とりあえずファミレスデートするか」
「良いね。デートって言葉余計だけど」
「何か間違ってる事言ったか俺?」
「おお、間違ってるの自覚して無いんか怖いよ私は」
もう幼なじみは止められない。
私が1番分かってる昔から決意したことには一途な性格だ。
(止められる訳無いよなぁ…)
「おーい」
「何?」
「好きなタイプは?」
「グイグイ来ない奴」
「ok今からグイグイいく感じの行動やめるわ」
どうしてそうなったんだ。
「そのままの君でいて」
「そう?しゃーないな」
「お前…殴るぞ?」
「キャーコワーイ」
全然怖がってないじゃないか。
「怖いというよりは可愛いになる」
「か、かわ?!」
私の心を読んでいるかのように何気なく私が聞き慣れていない言葉である可愛いを彼は言った。
私は顔が若干熱くなるのを感じた。
単なる男も女も関係ない平等な関係それを10年以上慣れないのも当然と言える。
やっとの思いで到着したファミレスで私は休憩・・・できる訳もなく1度絡められた手は離れずそのまま。
私の反応を楽しむかのようにニギニギと感触を確かめるかのように遊んでいる。
「私の手そんなに気持ちいい?」
「程よく柔らかくて気持ちいい。ほっぺた触ってもいい?」
「嫌だよ」
「じゃあ二の腕」
「私セクハラでお前を訴えようと思うんだ」
「冗談だって」
私は足で彼のすねに対して攻撃をした。
痛い痛いと言っているが攻撃の手・・・いやこの場合は足だろうか、すねへの攻撃を続けた。
「悪かったってジョークだから」
「・・・次言ったら顔をビンタだから」
「うぃっす」
こういうことするから男として見れないのもあるのかな。
「何頼んだの?」
「よくぞ聞いてくれた。実はカップル限定の・・・」
「私帰るねお金渡しておくから」
「話を最後まで聞け!」
え?なに?私帰ろうとしてたんだけどめんどくさいと言う顔をして彼を見る。
カップル限定のと聞いた途端頭が反射的に帰ることを選んだ。
判断が早いなと自分でもびっくりするほどだ。
「それでお前ケーキ好きだろ」
「そうね」
「だからカップル限定だけど今日ここ行こうって思ったんだよ」
あんなに私の事をからかった奴が突然優しくすると何か裏があるのでは無いかと疑う半分。
乙女の方の気持ちは少しだけいい所あるじゃんと不覚にもキュンとしたといった内情である。
それを少しだけ照れた様子で言うから可愛さにも点数が入っていて、私じゃなければ落ちていただろう。
「デートって言ったのはは照れ隠しみたいな感じなの?」
「あ、それは本気」
照れ顔からスンと真顔になる。
あ、そこはガチなんですねと察して私はこれ以上は言わないことにした。
「ケーキは食べたいから別にそれでもいいけど、カップルってどう証明するの?」
「さっきしてたじゃん」
「何を?」
「手」
「あれでいいのか・・・?」
まぁパッと見たらカップル?に見えるのか?
私は分からないままケーキを待つことにした。
見つける前に摘み取った恋へ 赤猫 @akaneko3779
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