エピローグ
ジャングルの先、奇跡の洞窟の奥。青い顔をした青魔人は焚き火で暖を取っていた。
その後ろから声がかかった。
「お疲れ〜また願いを叶えちゃったのか」
声の主は青魔人と同じ背格好だが、一つだけ違うのは顔が真っ赤だったいうことだ。
「まあな」
赤魔神は青魔神の横にあぐらをかいた。
「またいつものあれか。本当は世界を支配させる力を与えられたのに、敢えて出来ないフリをして、っていうやつか」
そういうと赤魔人はてんぐのうちわのような大きな葉っぱで顔を仰いだ。青魔人は黙ったままだ。
「だって、そんなことしてもつまらんだろ。力を持ったからって幸せになれるとは限らん。人間ってのは一つ叶うとさらにもっと願いたくなるという性質があるからな。その人物の本当に必要なものを見つけてやる、それが我輩のポリシーだからな」
青魔人は手を焚き火にかざしながら、一つぶるっと震えた。
「相変わらずお偉いこった。確かにおいらが力を与えたあいつは今頃世界相手に戦争を起こそうとしてるからな、あれが幸せな姿とは到底思えんがな。だがそんなことは知ったこっちゃねえが」
赤魔人は額に汗を垂らしながら、はあはあ息を言わせていた。
青魔人は時折焚き火がバチっという音を立てているのをじっと見つめていた。
「お、また一人来たみたいだぜ、どっちがいく?」
「我輩は寒いから、そちが行ってくれぬか?」
「いいのか? また世界が乱れるぜ」
「それはその人次第だ」
それもそうだな、そういうと赤魔人は立ち上がり、さびついたランプの中に入るべく歩き出した。
思ってたんと違うランプの魔人 木沢 真流 @k1sh
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