163 1月22日(月) 伊勢神宮で階段ぱんつ

 皆様は『階段ぱんつ』という言葉をご存じだろうか?


 『階段ぱんつ』というのはですね。女子がスカートを履いて階段を上がっているとしますね。それを階段の下から見上げたら・・・てか、これ、説明しなくても分かりますよね(笑)💦


 この『階段ぱんつ』という言葉なのだが・・・カクヨムの人気作家の、りほこ様が作品の中で使っておられたのだ。


 以下の作品だよ。面白いので、読んだことがない人はぜひ読んでみてね。

 

 「死人の俺が青春してるなんて誰も思わない」https://kakuyomu.jp/works/16817330666709093121/episodes/16817330666709248493


 で、ボクは、りほこ様への応援コメントの中で、次のように書いたのだ。


 「あれを『階段ぱんつ』って言うんですか? ボクは全然知りませんでした」


 すると、りほこ様からお返事があって、こう書いてあった。


 「知らないのは当然です。私が作った言葉ですから」


 ぎゃび~ん! な、なんと、『階段ぱんつ』というのは、りほこ様が独自に創作された言葉だったのだ! ボクは思わず笑ってしまいましたね。


 しかし、これ、実に見事な造語ですねえ。言い得て妙というか、ズバリ本質をついているというか、誰でもすぐに意味が分かりますよね。今年の流行語大賞にノミネートしたいくらいですぅぅ。


 で、話は急遽、伊勢神宮に変わります。


 皆様から声が聞こえるよ。


 「えっ、何で、話が伊勢神宮になるのよ。アホバカ最底辺作家の話って、さっぱり分かんな~い」


 「ねえ、ねえ、聞いて、聞いて。あいつの話はねえ、いっつも女子トイレが出てくるのよ。きっと、伊勢神宮に行ったら、お腹が痛くなって・・女子トイレに飛び込んだって話なのよ」


 「お腹が痛くなって、女子トイレに飛び込むって・・その話、前もこの日記に書いてたわよねぇ(50 6月8日(水) 金沢の街を歩く)。アホバカ最底辺作家って、話が毎回おんなじパターンなのよねぇ。もう最低!」


 ち、違うのです。今回は、女子トイレは出てきません。で、ですから、先を急ぎますよ💦


 以前、アホバカ妻と伊勢神宮に行ったのだ。伊勢神宮の中心は、正宮しょうぐうと呼ばれるお宮だ。正式には皇⼤神宮という。天照⼤御神がお祀りされているのだ。


 で、正宮の前にちょっとした上りの石段があるのだ。ボクとアホバカ妻は、大勢の観光客に交じって、伊勢神宮を歩いていると、その石段に差し掛かったというわけなのだ。


 ここで、また話が変わります(今回はよく話が変わるのだ)。。。


 ボクはカクヨムで「なが先生の小説講座」という駄作を連載している。連載と言っても、ほとんど読んでくれる人がいないのだが・・(笑)。URLは以下だよ。

https://kakuyomu.jp/works/16816927863008912695/episodes/16816927863094278002


 で、その中で、近々話題にしようと思っているのが、『人称の変化』だ。どういうことかと言うと、同じ事象を『一人称で見た視点』と『三人称で見た視点』から書くことによって、小説に変化と深みを与えることが出来るという話だ。


 で、先行公開として、この伊勢神宮の場面を『一人称で見た視点』と『三人称で見た視点』で小説風に表現してみますよぉ。


 では、伊勢神宮の正宮の前の石段に戻って・・・まずは『三人称で見た視点』から、事実をありのままに描写してみよう。


**********

『三人称で見た視点』


 アホバカ最底辺作家(以下「作家」)とその妻は、白い石段の前にやって来た。この石段を上れば正宮がある。二人の周りには多くの観光客がいて、石段をゆっくりと上っていた。


 作家と妻は並んで歩いていたのだが、先を急ぐ観光客が二人の間に割って入ってきた。やむなく二人は少し距離をとって、石段を上りだしたのだ。


 作家が石段の真ん中あたりに差し掛かったときだ。離れたところを歩いていた妻が、人をかき分けて作家のところにやって来た。


 妻が作家に不思議なことを言った。


 「私があいだに入ってあげるわ」


 作家は妻が何を言っているのか、まるで分からなかった。作家がきょとんとしていると、妻が作家の1mほど前に立って、階段を上り始めたのだ。


 それから、妻は後ろを振り向いて作家を確認しながら、常に作家の真正面になるように階段を上って行った。作家が人の流れを避けて右に寄ると妻も右に寄る。作家が左に寄ると妻も左に寄るのだ。作家の口から疑問の声が出た。


 「一体、何をやっているんだ?」


 そうして、そのまま、作家と妻は石段を上り切った。眼の前に正宮が見えた。その神々しさに、作家は妻への疑問を忘れてしまった。


**********


 では次に、同じシーンを今度は『一人称で見た視点』から書いてみよう。


==========

『一人称で見た視点』


 僕とアホバカ妻は、ついに正宮の下までやって来た。眼の前には白い石段がある。この石段を上ったら、いよいよ正宮なのだ。


 僕たちの周りは観光客でいっぱいだ。みんな、石段を上がっている。中には、駆け足で急ぐように階段を上がる観光客もいた。僕とアホバカ妻は並んで石段を上り始めたのだが、僕たちの間に、そんな急いでいる観光客が割り込んできて・・・僕たちはたちまち引き離されてしまった。


 横を見ると、アホバカ妻はぼくと離れたところを上がっている。


 仕方がない。一人で上がるか・・


 僕は上を見上げた。石段を上がる大勢の観光客の背中が見えた。


 僕の眼が、その中の一人の女性にくぎ付けになった。若いお姉さんだ。ミニスカートを履いている。思わず僕の口から、童謡『茶摘み』のメロディーで声が出た。皆さんもご一緒に歌ってください♬。


 「♪ あれに見えるはパンツじゃないか ♪」


 そうなのだ。お姉さんのミニスカートからピンクのパンツが見えていたのだ。何か、模様が入っている。


 僕は思わず、心の中で拍手をした。👏


 イッヒッヒッヒ・・・さすが、全国の神社の総取りまとめの伊勢神宮だ。お参りをする前から、こういうご利益があるのか! しかし、あのパンツの柄はイチゴなのかなぁ。もっと、近くに寄ってみよう。


 僕はお姉さんのすぐ後ろに行った。しかし、お姉さんが人にもまれて、右に寄ったり、左に寄ったりするので、パンツの柄が分からない。仕方なく、僕もお姉さんに合わせて、右に寄ったり、左に寄ったりしたのだ。


 するとだ。


 僕から少し離れたところを歩いていた、アホバカ妻が僕のところにやってきたのだ。アホバカ妻が言った。


 「私があいだに入ってあげるわ」


 そして、妻は僕とお姉さんの間に入って、階段を上りだしたのだ。


 えっ、見えないじゃん!


 しかし、僕たちは、そのまま石段を上り切ってしまった。


 僕の眼に正宮が見えた。なんとも神々しい建物だ。しかし、僕は心の中で、アホバカ妻に言った。


 見えなかったじゃんか! どうしてくれるのよぉ~!


==========


 伊勢神宮はよくテレビの旅番組などで取り上げられている。そんなとき・・・正宮は伊勢神宮のメイン中のメインの建物なので・・・この正宮に上がる石段は、必ずといっていいほどテレビに写し出されるのだ。


 それを見るたびに、アホバカ妻がボクに言うのだ。


 「あっ、アホバカ夫が『階段ぱんつ』してたところだぁ~。神様の前で、何という罰当たりな行為なんでしょう」


 それを聞いて、ボクはいつも「ぎゃび~ん」と言って、ひっくり返ってしまうのだ。。。


 みなさ~ん。『階段ぱんつ』はやめましょうね~!

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