第35話遊戯大会を終えて
「またねレン、それにカナリアさんも」
「ディア王子また明日〜」
もう今はすっかり夜。
遊戯大会の後普通に帰ろうとしていたのだけど…
「カナリアー!」
「アイ、どうしたの?」
「実は生徒会と先生たちで片付けすることになったんだけど人手が足りなくてだから手伝って欲しいの」
「分かった。そういうことになったからレン先に帰ってて」
「僕も手伝います!」
カナリア様だけ手伝って執事失格。
ということで手伝っていたら、
「アイ令嬢、僕も手伝っていいですか?」
とディア王子も手伝ってくれていた。
最近ディア王子が心を開いてきてくれたみたいで嬉しい。
とは言っても生徒会と先生と僕達とでは時間がかかり、結局空が暗くなりかけるまで続いた。
「大丈夫?」
「ちょっと疲れたみたいです」
「今日は早く寝ようね」
今日はたくさんの人と出会えて、たくさんの思い出が作れた。
今まで学校行事なんて楽しくなかったけど
こんなに楽しかったなんて知らなかった。
「カナリア様」
「うん?」
「今日人生の中で1番楽しかったです」
「これからはそれを何回も超える楽しい思い出を作ろうね?」
「はい!」
~~~~~~~~~~~~~
「かわいい〜」
今日はもうすやすや寝てしまっている。
「離れたくないけど…行かないと」
額にキスをして
「行ってきます」
実は片付けをしている時、
「カナリア様」
木の後ろからフォードが出てきた。
「実は影から連絡があって」
「緊急?」
「緊急ほどではありませんが夜、そのことについて話そうと思います」
「分かった」
ということがあった。
レンをこれ以上疲れさせるわけにもいかないから連れていかない。
「お疲れ様です」
「フォード、なるべく早く終わらせてね」
「そんなにピリピリしないでください。悪いのはこいつらです」
と紙をいくつか出してくる。
どうやら元宰相が解体された派閥を復活させて悪いことをしているらしい。
「モーリス子爵にカーハート男爵も…」
貴族だけでなく、裏の組織も関わっているらしい。
裏の組織は国関係なしに活動するから撲滅は難しいけど
「ギリギリまで追いやるか…」
それでも王城に突き出す証拠が足りない。
「証拠を集める必要がありますね…」
思ったより大変になりそう。
「じゃあ私は帰るね」
早く寝たい。
「大好き〜♡」
私はレンを再び抱きしめる。
これが頑張ったご褒美。
「カナリア様…これ以上は」
レンが寝言を言ってる。何の夢を見てるのかな?もしかしたら私と…
「食べられませんよー…」
そんなはずはなかった。
そもそもレンはそういったことを初めてする前まではあまり知らなかったみたいだから。
そこもまたかわいいんだけどね。
氷の王女はなぜか僕を見捨てない くさもち @41236987
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