タイトルを見て、ゲーム世界への転生ものかなと思いましたが、良い意味で裏切られました!
これは、亡き友から願いを託された若者や、一度は夢を諦めた青年など、熱い思いを胸に抱く男達があるゲームを作るという夢を叶えるため、信念を持ち突き進む物語です。
素敵な点は多々あるのですが、まずは開発現場の描写がとても詳細で興味深いです。また、理想と現実に関する葛藤の描かれ方もリアルで、一度でも営利企業に勤めた事のある方や、一度でも挫折経験のある方は、きっと共感できるはず。
こちらのレビューを投稿した段階では、第二章まで公開されています。今後の展開が気になって仕方ありません。
ぜひ多くの方にお読みいただきたいです!
ゲーム開発ものというと、『冴えない彼女の育てかた』のような自主制作ものを思い浮かべがちですが(自分だけかもしれませんが)、民放テレビドラマ『推しの王子様』でアプリゲーム開発が描かれるなど、浸透・定着したスマホアプリゲームに焦点を当てた作品は今後も増えていくと思います。
本作はそういった増加中途のスマホゲーム開発を主題としており、大仰な言い方かもしれませんが、嚆矢となり得る作品かもしれません。
前述のとおり、スマホゲームはコンシューマゲームと比べて歴史も浅く、まだ焦点を当てた作品も増加中途、要はまだ手付かずであるブルーオーシャンな題材です。本作は「亡き友の意志を継ぐ」というドラマティックな背景はあるものの、読めば、通俗的なお仕事ものだとつぶさに分かります。
加えて、連載数話にして既に過去スマホゲームで起こった出来事も取り上げており、疑似的に歴史を追従する面白さも生まれつつあります。
個人的にはタイトルにもあり、開発されているスマホゲームの概要を知りたいので(それだけ登場人物の熱意の子細が分かるので)、今後色濃く描写されていくことに期待大です。