第31話 陽と陰.2

初めてのクラスでのスタートから騒々しいトラブルは無事に終わったんですけども・・・。

俺はまだ寮に帰れてない。

何故なら、何故だか一人だけ残されて先生を待っているからだ。


経緯としてはこうだ。

俺が保健室から教室に戻り、4人に詰め寄られてる所を先生が入ってきてセナが先生に詰め寄ってる理由を説明。

そこから俺がだんまりとしているとナッグ先生が、4人が納得できる様な言い分で無事に終わったって訳。

ちなみにその言い分ってのは、俺の父親が冒険者をしており小さい頃から父親に色々教えられながら鍛えられていたからっていう言い分だ。

絶対に信じないと思ったが、俺の父親がエンペル=ローランドだと先生が言うと全員が納得した。

初めて知ったが父さんは実は冒険者の中でもかなり有名な方らしく冒険者を目指す者からすれば憧れの一人らしい。

その後、何故だか先生に放課後教室に残ってる様にと言われて現在に至るという訳なのだ。

(それにしてもまだかな。今日の授業が全部終わって理由も分からない居残りは何歳になっても嫌なもんだな・・・)


前世でも何もないのにサービス残業みたいな感じで会社で居残りさせられた覚えがあるが、こういう場合は学校も会社も同じだな、うん。

(ガラガラ)

入り口の扉が開いた。

やっとナッグ先生が来た。ってもう30分以上経ってるよ。


「やぁやぁ、ごめんごめん。学園総主任に呼ばれていた事をうっかりしていてね。先にそちらの用事をしてたんだよ。」

(いや、ならそれを踏まえて時間を合わせて待たせろよ。)

っと思ったが、さすがに口には出せないな。まだ13歳だし?

ナッグ先生は軽く笑いながら自分の席に座ってる俺の対面に椅子を持ってきて座った。

「さて、キョウ君に何故居残りしてもらったかというとね。実は聞きたい事があったんだよ。」

「えっと、何でしょうか?」

「キョウ君って、もしかして特異属性者なのかな?」

(え!と、唐突とうとつ過ぎるぞ。で、でも何で・・・)


さすがに心臓がドキっとしたわ。

何を聞いてくるのかと思えば俺が特異属性者なのかって。

え?俺何かバレる様な事したのか?

いやいや分からん。

とにかくここは平常心でとぼけながら会話しよう。

「え、そんな訳ないじゃないですか。競技場で先生も見られたと思いますけど間違いなく俺は炎の五行属性者ですよ。」

「じゃ、一つ聞くけど何故ラルド君との手合わせの時、最初にラルド君と同じ雷の属性スキルを出そうとしてたのかな?」

(さすがは教師だけあって観察力が抜きん出てるな。それが原因か。なら・・・)


「ラルドの雷のスキルがカッコ良くて俺もできたらなぁって思って試してみたんです。でも無理でしたね。競技場の先生が出してくれた闘技舞台まで雷の影響で壊れてましたもんね。」

っと俺は愛想笑い的な感じで微笑みながら質問を返した。

(よし、これなら13歳らしいはず。男の子ならカッコいいのに憧れるってのは事実だからな。)

先生は少し黙ったまま俺の方をじっと見てる。

そして先生が口を開いた。


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転生して五行属性者になっちゃった kanato @majino

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