第6話 完結

 ――正暦二千百十五年  



 魔女の棲家ことエルブラム山にて、一人泣き崩れる大聖女マリカの姿があった。


「どうして……どうして、あんな化け物の事、庇ったりしたのよ!!」


 教え子……いや、愛する男性ひとが取った咄嗟の行動の意味に――その行動がもたらした最悪の結末に――マリカはもがき苦しむ。


 頭の中で、ヴィルドレットへ想いを伝えた時のやりとりが呼び起こされる――


 『――俺には好きな人がいます』


 『――素敵な人なんでしょうね。その女性ひとは……』

 

 ――あの時、心の中で『世界一幸せな女性ひと』――、そう嫉妬心を抱いた相手ライバルの存在……


「……じゃあ何?!! 『終焉の魔女あの女』がそうだったとでも言うの!?」


 『終焉の魔女』の盾となり、己の魔術によって瀕死となったヴィルドレットは『終焉の魔女』と共に消えた。その事実が意味するまさかの可能性――


 そのまさかの可能性を、マリカの持つ『女の勘』が確信へと導く。



 ――あの日、ヴィルドレットへ想いを告白した時からある思い――


 『――その女性ひとになりたい……その女性ひとになってヴィルドレットあなたから愛されたい』


 そんな思いに対してマリカは必死に抗う……もがいて、苦しんで、涙しながらも、自分自身に嘘をつく。


 『終焉の魔女あの女』になりたい――


 そんな本音に抗い続ける……。


 

――――――――――――――――――――



《作者から》


 実はこの物語はまだこの後も続きます。しかし、これまでのプロットとこれからのプロットでの齟齬がありすぎて収拾がつかなくなってしまい、この度、とりあえずこれで完結という形を取ります。


 今後もこの物語はしっかりと書き進めます。本当の意味でこの物語が完結した時に再度、『リメイク版』

という形で連載をスタートさせます。


 ここまで読み進めてくれた方々、本当に有り難う御座いました。そして、申し訳ありませんでした。


 では、また『リメイク版』で――

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疎まれ魔女の願い事。恋する猫の願い事。 毒島かすみ @busumiya

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