性欲どくどく

お題：俺は夏 制限時間：15分

性欲どくどく

　夏といえば、夏の魔物が現れる。

　なら、冬は冬の魔物がでるのかといえば、もちろんその通り。

　夏は水着、冬はサンタ。

　それぞれが襲ってくる。聞いたことないというのは、まだまだ健全であるということだ。今どきの小学生ですら、えろえろすぅすぅ感じるのが一般的だが……。

　ちなみに水着は様々な種類があって、セパレート、ビキニ、ワンピース、スク水。ブルマは違うか。それを身に着けた女性あるいは、男性が誘惑をしてくる力を持つ。

　サンタはミニスカであったり、赤い下着であったり、黒い下着であったり、緑の下着だったりする。なぜそこを強調するのかといえば、やはりクリスマスだからだ。そんな服を水着と同じように相手が着てくれれば、大いに盛り上がるだろう。

　そうーー応えねばならない。

　そこからは若気の至りの時間。

　何が起こるのかは少年少女であっても知ってる。

　激しいズッコンバッコンはないにしても、人の気配が少ないプール隅、シャワー、トイレ、ホテル。耳をすませば、聞こえてくる喘ぎ声。隠せない色気の音。

　世間とは変態であり、そんなあられもない状況を撮影したりする。

　俺はそれをさらに隠し撮りする。

　いわゆる盗撮というやつだ。

　何時間に一回あるかないかの痴態を耐えるのは、性欲の強さだ。

　好きなものはいくらでも待てる。

　それを武器として、相手に要求したりもできる。

　おかげでお金はいくらでもある。

　女性には身体を、男性にはお金を。

　こうすることによって、俺だけは得をする。

　若い奴らってのは、痛い思いをしなければ、成長しないのだから。

　とはいえ、毎日やるようなことでもない。性欲が二十四時間あるような人間はいない。そういったときは、部屋でひたすら動画を編集する。

　商品としては何分、何時間も待たせるのはよくない。

　前座がはじまるくらいから、本番が終了ぐらいにカットする。

　それを何本かくっつけて、一作品だ。ファイルに書き出し、投稿サイトにアップロードする。

　今日はそんな日程だった。