最終話
流通は活性化した。
もう私の出来る事はないみたい。
そっと消えて、誰もいない所で暮らそうかしら。
それこそ地の果てにでも行って。
『逃げるのかしら?』と声がしたような気がした。
逃げたくはない。
でも、私の中の邪魔力が、私をいずれ邪神にするわ。
「ラメレイ、ぼーとっしてどうしたんだ」
サウンさんの心配そうな声。
「私がいなくなったら。ううん、何でもない」
「ラメレイ、俺は考えた。子供を作って3人で暮らそう。知ってるか。物というのは2本足だと安定が悪い。3本になると安定する。もっと増えれば、もっと安定する」
これって求婚よね。
でも今はそんな気分じゃない。
嬉しいけど、邪魔力の問題が片付かないうちは、応えてあげられない。
『もう、3本ありますわ』と聞こえた気がした。
なんなの、幻聴も聞こえるようになったの。
「何が3本あるのよ!」
「ラメレイ、さっきの話が気に障ったか」
「サウンさん、ごめんなさい」
『魔力が3本ですわ』
魔力が3本。
ええと、どういう事?
まず、サウンさんの魔力。
これは別に良い。
そして、ラメレイの魔力。
おそらく邪魔力。
そして、私の魔力だわ。
今までの不思議な事から考えると聖魔力。
謎が解けたわ。
サウンさんの魔力が無い時は、邪魔力と聖魔力が打ち消し合っていたのね。
だから、魔力が3しかなかった。
サウンさんという足が出来て、安定した。
打ち消し合っていた魔力の間にクッションが出来たと言った方がいいかしら。。
じゃあ、謎の声はラメレイなの。
ラメレイの声は聞こえない。
私が悩んでいたので手を貸してくれたのよね。
ありがとう、私はサウンさんと生きていきます。
「サウンさん、いいえサウンデルさん、あなたの求婚を受け入れます」
「うれしいよ。俺の本名を知っていたという事は、俺の正体もばれたんだな。俺は第一王子だ」
知らなかった。
でも家柄は釣り合いそうね。
パパンをどうやって説得しようか考えたけど、手間が省けたわ。
そして、サウンさんと結ばれた私は、より強固な3つの魔力を得た。
乙女ゲーム悪役令嬢の投資術~シナリオの通りなんて生きてあげません。婚約破棄された私は今日も人間の株を売り買いする。尻馬に乗って食べるご飯はおいしい~ 喰寝丸太 @455834
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